公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究では、我々がこれまで明らかにしたストレス応答転写因子ATF3の下流標的遺伝子の網羅的探索に基づいて、システムズ・バイオロジーの統合的手法を用いてがん細胞と正常細胞のストレス制御ネットワークの特性を明らかにし新たながん治療戦略による難治がん医療の確立に貢献することを目標としている。マウス飼育の問題による経費の繰り越しを行ったが以下の成果を得た。1)ストレス応答転写因子ATF3のがん抑制機能が、細胞死関連遺伝子と細胞周期因子に対して相反する効果によることを明らかにした(PLosONE 6(10):e26848, 2011)。さらに、がん細胞選択的アポトーシスに関わる細胞死受容体Death receptor5 (DR5)がATF3の標的遺伝子であることを見出し、がん治療薬Camptothecinはp53-ATF3-DR5の転写カスケード経路によるがん細胞死に深く関わることを報告した。難治がんのTRAIL併用療法の分子基盤を明らかにした(Oncogene 2012 ;31(17):2210-21)。2)タイプI糖尿病のヒト及びモデル膵b細胞炎症性細胞死の網羅的発現解析より、JunB/ATF3が炎症から細胞を守ることを見出し、新たな治療標的となることを報告した(Oncogene 2012; 31(13):1723-32.)。3)p53, ATF3の単独あるいはダブルノックアウトマウス細胞のDNA傷害応答の網羅的解析を、東大宮野研と連携し共同研究により進めた(平成24年度がん学会発表、平成24年附置研究所ネットワーク国際シンポジウム発表、25年度分子生物学会発表)。さらに、microRNA応答のアレイ解析も進めた。以上より、抗がん治療におけるDNA傷害においては、ATF3は様々な標的遺伝子制御を介してがんの悪性化、治療抵抗性に関わっていることを明らかにした。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (15件) (うち招待講演 1件) 備考 (3件)
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