研究領域 | 質感認知の脳神経メカニズムと高度質感情報処理技術の融合的研究 |
研究課題/領域番号 |
23135506
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
溝上 陽子 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 助教 (40436340)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
2012年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2011年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 色の恒常性 / 質感 / 色覚 / 照明認識 / ナチュラルネス |
研究実績の概要 |
本研究では、視環境が変化しても物体の色や明度を正確に判断できる「見えの安定性」(色の恒常性)に対して質感が果たす役割を検討した。視対象とする物体の質感がその色認識に与える影響、および室内の壁や構成物体の質感が室内照明の認識とそこに置かれた物体の色知覚に与える影響について、実空間と画像を用いて検討した。 視対象の質感の影響を調べる実験では、実際の部屋を模した実験ブースの中央に形状や光沢感の異なる素材のテスト刺激を置き、カラーネーミングによる色評価を行った。照明条件は白色光と電球色光の2種類である。室内構成物体の質感の影響を調べる実験では、明度や色の違う無光沢紙で作られた壁や家具で構成、または質感の異なる物体を配置した室内模型を用いた。照度を等しく保った条件において、室内の明るさ感・テスト刺激の明度・彩度判定を行った。また白色光と電球色光の2種類を用いた色判定実験も行った。 色知覚実験における、白色光下と電球色光下での色知覚変化は、平面刺激の場合どの色でも比較的小さく、また素材による明確な違いは見られなかった。曲面刺激の場合は鏡面反射成分の多い物体は変化量が小さい傾向にあった。したがって、通常の環境では質感の違いが色恒常性の成立度に与える影響は小さいこと、ただし、刺激の三次元的情報や鏡面反射成分による照明の手がかりが色恒常性に寄与する可能性が示唆された。また、テスト刺激の明度と彩度知覚は、室内構成物体の明度が高くなるほど低下した。これは、実際の照度が等しい場合でも室内照明の明るさ知覚が変化したことを示す。さらに色判定実験の結果から、多様な質感で構成された場合には、無光沢紙で室内を構成した場合より色恒常性は改善することが示唆された。 本研究により、視環境と質感、色認識の安定性には相互関係があることが示された。これらの知見は、室内設計や照明設計への応用につながると考えられる。
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現在までの達成度 (段落) |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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