公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
平成24年度は、数値積分アルゴリズムの精度向上、高速化、及び確率モデルシミュレータの実装を行った。将来的な移植性を考慮しコード生成・コンパイルを必要とせず動的にGPU上で数式を評価する実装となっており独自のメモリ構造を考案した。また、並列化には計算そのものを並列化することで単一のシミュレーションを高速化する細粒度並列化と、複数の計算を並列に実行する粗粒 度並列化がある。本研究では、GPUのハードウェアと要求されたシミュレーション回数に合わ せて粒度の自動調整を行うことで常に最適な粒度でのシミュレーション環境を実現している。数値計算アルゴリズムとしてはGPUでの実行に適したステップ幅可変の”Low Storage Runge-Kutta”や、硬い微分方程式のために後退オイラー法を実装し、合計4種類の数値計算手法を選択することが出来る。本シミュレータはこの並列計算の手法を基盤としてパラメータフィッティングを行うことが可能となっており、複数の探索アルゴリズムを並列に実行するこ とでGPUでの実行にあったフィッティングツールを実装した。パラメータを推移させ複数のシミュレーションを実行し、C言語での実装とCUDAによる実装について実行時間等の評価を行った。本シミュレータは標準的なステップ幅可変の陽解法や硬い微分方程式に対応した陰解法のソルバを採用しており、ソルバにより結果は異なるが単精度、倍精度どちらでも約30~45倍の高速化を実現した。また、プロファイリングから適切な細粒度並列化により粗粒度並列化のみの実行と比べ約4倍の高速化を達成し、粒度の自動調整機構とあわせて有効な手法であることが示された。また、一様乱数を使用する確率モデルシミュレーションの高速化を行い、最大で約220倍の高速化を達成した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Bioinformatics
巻: N/A 号: 11 ページ: 1474-1476
10.1093/bioinformatics/btt157
http://fun.bio.keio.ac.jp/software/libsbmlsim/