研究領域 | 生涯学の創出-超高齢社会における発達・加齢観の刷新 |
研究課題/領域番号 |
23H03886
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂野 晴彦 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40594057)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
2024年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2023年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | デジタルバイオマーカー / 高齢者 / 軽度認知機能障害 / 認知症 / 未病 |
研究開始時の研究の概要 |
疾患に対して早期診断、早期介入を行う先制医療は今後の医療の進むべき方向性であり、在宅デジタルバイオマーカー開発は、未病検知のための有用な手段と考えられる。本研究では、軽度認知機能障害などの未病を検知する在宅デジタルバイオマーカーを開発する。 本成果は、個体差の大きな体調変動に柔軟に対応し、未病を予防することにつながるだけでなく、ヒトが病気になる手前の未病への変化を解明する可能性を秘めている。
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研究実績の概要 |
早期での疾病介入・先制医療は今後の医療の進むべき方向であり、在宅での異常検知デバイスは未来社会の生活必需品となると予想される。また、早期診断、早期介入を可能にするデジタルバイオマーカー開発は、未病検知のための有用な手段と考えられる。 認知症のデジタルバイオマーカーとして、現在多くの提案があるもののgold standardとして確立されたものはない。日常生活から異常を検知する手法を確立できれば、認知症に限らず、生活習慣病や精神疾患といった疾病の予防や、健康維持の新たな手法につながる。 本年度は、デジタルデバイスを用いた解析から、認知症にかかわるデジタルバイオマーカーを抽出することを目的に、磁気センサ型指タッピング装置(指タップ)やウェアラブル活動量計などのデジタルデバイスを用いたデータの検討を行った。 特にウェアラブル活動量計を用いた計測では、腕時計型の活動量計を24時間装着することにより、継続的な生活関連パラメータを計測できる。具体的には、歩数、活動量、睡眠時間、脈拍、皮膚温度、会話量、UV量などと認知機能との関連について検討することができた。また、指タップ総運動量と認知機能との関連に関しても、検討を行った。 成果は2023年8月および2024年3月に行われた、生涯学領域会議において発表した。さらに、アウトリーチ活動として、2023年11月には筑波大学において、一般高齢者を対象としたセミナーを行い、認知症検知のためのデジタルバイオマーカーの可能性に関して議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに、デジタルデバイスを用いた解析から、認知症にかかわるデジタルバイオマーカーを抽出することを目的に、磁気センサ型指タッピング装置(指タップ)やウェアラブル活動量計などのデジタルデバイスを用いたデータの検討を行ってきている。 特にウェアラブル活動量計を用いた計測では、腕時計型の活動量計を24時間装着することにより、継続的な生活関連パラメータを計測した。具体的には、歩数、活動量、睡眠時間、脈拍、皮膚温度、会話量、UV量などと認知機能との関連について検討することができた。また、指タップ総運動量と認知機能との関連に関しても、検討を行った。 成果は2023年8月および2024年3月に行われた、生涯学領域会議において、ウェアラブル活動量計を用いた解析結果の詳細として発表した。 さらに、アウトリーチ活動として、2023年11月には筑波大学において、一般高齢者を対象としたセミナーを行い、現在の認知症治療開発の最前線について解説し、認知症検知のためのデジタルバイオマーカーの可能性に関して議論した。多くの来場者を得て、活発な質疑応答があった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究を推し進めていくために、更なるデジタルバイオマーカーの解析を予定する。具体的には、健常人高齢者を対象としたデータ取得を進めていく。 解析手法に関しても、デジタルバイオマーカーとして計測できるデータは、数多くのパラメータからなるビッグデータであり、どのようにパラメータを組み合わせられるかなど、無数にある解析手法から有用なデジタルバイオマーカーを同定できる効果的な手法を探っていく。 さらに、認知機能障害だけでなく、認知症の行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia: BPSD)に関わるデジタルバイオマーカーに関しても、検討を行っていく。特に、認知症の発症前にも、うつ症状など、行動・心理症状が生じる可能性もあり、その解析手法に関しても検討していきたい。 学術変革領域(A)生涯学の公募班として、今回研究を行っているが、今後、認知心理学領域の先生方とも領域内共同研究を予定しており、異分野融合による相乗効果が得られるよう研究を進めていく。
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