研究領域 | 生涯学の創出-超高齢社会における発達・加齢観の刷新 |
研究課題/領域番号 |
23H03888
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
権藤 恭之 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (40250196)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
2024年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2023年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | ハーモナイズドデータ / サクセスフルエイジング / 認知評価 / 縦断研究 / コホート効果 |
研究開始時の研究の概要 |
長寿社会に突入した現代、これから年を取る世代が自らの人生航路を準備し幸福に高齢期を過ごすためには、加齢に関する正しい知識を持つことが欠かせない。人の加齢は、身体・生物学、認知・感情、社会・環境の3つの領域が相互に影響しながら生じる長期間の変化である。したがって加齢の様態をモデル化するには、これら3つの領域を経時的に同時に長期間評価し、領域相互の影響と変化の関係を解明することが必要となる。しそこで本研究は、すでにデータ収集が終了している、縦断調査データを利用し加齢の様態の包括的なモデルの検証可能なデータベースの整備を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、異なる縦断調査のデータを同じ枠組みで分析可能とするデータハーモナイズの方法を開発することである。課題1は、既存のデータを用いて新たに質問項目への反応パタンから認知機能を評価する方法の開発、課題2は、項目反応理論IRTを用いて、感情・幸福感尺度の重みパラメータの同定によってデータハーモナイズする方法で拡張発展させることである。 2023年度は、課題2について、異なる研究で実施されている同じ概念だが異なる調査項目を同一対象者に実施し、相互に変換可能なパラメータを作成することを目的として調査を実施した。大規模調査データベース間用いられている尺度から、主観的健康感(経済的ゆとり、経済的満足感)、主観的幸福感(改訂版PGCモラールスケール、全般的主観的幸福感、フローリッシュ尺度)、精神的健康(WHO-5、WHO-5-J)、人生満足感(人生満足感尺度、生活全体満足度、人生満足度尺度A、人生満足度尺度K)、抑うつ(抑うつ2項目尺度、基本チェックリストに含まれる抑うつ項目、GDS15、CES-D)、経済的ゆとり(3尺度)、体調(2尺度)、手段的自立(老研式活動能力指標に含まれる手段的自立の項目、JAHEADで使用されている手段的活動能力の項目)を用いた。30-59歳の男女504名を対象にweb調査を実施した。 同じ概念を測定する異なる尺度間で得点の換算が可能かどうかを、項目反応理論に基づき分析した。例として手段的自立を測定する①老研式活動能力指標の手段的自立5項目(はい/いいえの2件法)と②JAHEADで使用されている手段的活動能力の4項目(1ぜんぜん難しくない~5まったくできないの5件法)の結果を報告する。分析の目標は①の5~10点、②の4~20点を互いに換算できるようにすることである。IRTを用いた分析により各尺度の等化曲線を描き、互いの素点の換算表を作ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
心理データに関するハーモナイズに関しては、順調に進んでいるが、認知データの評価に関しては進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、対象となる既存データベースの収集を行うとともに、新たな統合可能なデータを探索する。
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