研究領域 | 土器を掘る:22世紀型考古資料学の構築と社会実装をめざした技術開発型研究 |
研究課題/領域番号 |
23H03906
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
白石 哲也 山形大学, 学士課程基盤教育院, 准教授 (60825321)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 糞石 / 縄文 / X線CT / 脂質分析 / 貝塚 / 3D / 観察 / DNA / 炭素・窒素同位体比分析 / 食復元 / 微細観察 / 鳥浜貝塚 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまで顧みられてこなかった考古遺物である糞石に焦点をあて、当時の食性を解析するために、微細観察分析(実体顕微鏡観察・X線CT)と脂質分析という最新の分析技術を活用し、全く新しい食性復元法の開発を目指すものである。従来、「食べたもの」から見た食研究に偏っていたが、「出たもの」も明らかになることで、両者を組み合わせた総合的な食研究が可能となる。その結果、当時の食生活の変化や食べ合わせ、メニュー、食物選択を復元するための研究の可能性が広がる。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、糞石の全国データベースの構築と分析方法の確立に注力した。まず、全国データベースは、既存研究及び全国遺跡総覧に基づき、データ化を行い、原典に当たった。残念ながら、すべてを原典から確認することはできなかったが、概ね確認できた。現在、データベースの公開方法を検討している。 次に、分析の方法の確立については、横浜市称名寺貝塚(縄文)と元町貝塚(縄文)の試料を用いて検討を行った。最終的には、3D化・X線CT・表面観察・脂質分析・炭素・窒素同位体比分析を行うことで、保存と多角的分析を行うことにした。理由としては、脂質分析や同位体分析、今後行うであろう古DNA分析などはすべて破壊を伴う。そのため、3Dでのデータ化と詳細な観察記録を残しておくことが重要であると考えた。これらの結果については、次年度に学会にて報告及び論文化する。 また、分析の幅を広げるため、山形県押出遺跡から出土したクッキー状炭化物に関しても分析を開始している。分析としては、脂質分析と炭素・窒素同位体比分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象試料を適切に分析ができており、当初予定していたデータベースも完了している。また、新たな研究にも着手しており、順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、遺構から糞石の起源が推測可能な試料を中心に分析を進めていく。
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