研究領域 | 土器を掘る:22世紀型考古資料学の構築と社会実装をめざした技術開発型研究 |
研究課題/領域番号 |
23H03907
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
菊地 芳朗 福島大学, 行政政策学類, 教授 (10375347)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 東北北部 / 狩猟採集社会 / 農耕社会 / 移行期 / 種実・穀類圧痕分析 / 横手市古墳時代遺跡群 / 郡山市滝ノ口遺跡 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本列島の狩猟採集社会から農耕社会への移行期において他地域とは異なる過程を歩んだ本州島北部の弥生時代後半期~古墳時代を対象に、種実・穀類利用の実態及びその時間的・地域的変化を、従来ほとんど行われてこなかったレプリカ法による土器圧痕調査分析により解明し、本州島北部の狩猟採集から農耕への移行過程や古墳成立の背景を明確にしようとするものである。 本研究では具体的に次の2点を目標とする。①東北北部における農耕受容とその後の放棄、そして再受容までの過程とその実態に迫るための情報を獲得する。②東北南部における古墳成立に至るまでの農耕展開の過程と度合に迫るための客観的な情報を獲得する。
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研究実績の概要 |
本研究は、日本列島の狩猟採集社会から農耕社会への移行期において他地域とは異なる過程を歩んだ本州島北部を対象に、特に弥生時代後半期~古墳時代に焦点を当て、種実・穀類利用の実態及びその時間的・地域的変化を、従来ほとんど行われてこなかったレプリカ法による土器圧痕調査分析により解明し、本州島北部の狩猟採集から農耕への移行過程や古墳成立の背景を明確にしようとするものである。 本研究の具体的目的は以下の2点である。①東北北部における縄文時代晩期末~古墳時代併行期の種実・穀類利用の実態及びその地域的・時間的変化を明確に把握し、農耕受容とその後の放棄、そして再受容までの過程とその実態に迫るための情報を獲得する。②東北南部における弥生時代中期後半~古墳時代前期の種実・穀類利用の実態及びその地域的・時間的変化を明確に把握し、東北南部での古墳成立に至るまでの農耕展開の過程と度合に迫るための客観的な情報を獲得する。 2023年度は主に、①として秋田県横手市の古墳時代遺跡群出土土器に対する圧痕調査を実施し、②として福島県郡山市滝の口遺跡出土土器に対する圧痕調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、上記①として、秋田県横手市の古墳時代遺跡群出土土器に対する種実・穀類圧痕調査を実施し、上記②として、福島県郡山市滝ノ口遺跡出土土器に対する種実・穀類圧痕調査を実施し、これらで検出したレプリカの同定作業およびSEM撮影を行った。 また、2021・22年度に実施した福島県和泉遺跡と落合遺跡の圧痕調査の成果をまとめ、2024年5月の日本考古学協会総会で研究発表を行うことが決まっている。 以上により、年度当初の目的をおおよそ達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
5月大型連休までに、代表者・協力者・本学術変革領域研究計画研究A02班とオンライン研究集会を開催して研究の進め方や対象について打ち合わせを行ったのち、ただちに具体的作業に着手する。 上記①においては、主に年度前半に弥生時代前半期の土器棺再葬墓出土土器(対象遺跡は現在交渉中)に対する種実・穀類圧痕調査を実施する。上記②においては、主に年度後半に宮城県入の沢遺跡など古墳時代前期を中心とする時期の遺跡出土土器に対する種実・穀類圧痕調査を実施する。そして、これらで検出したレプリカの同定作業およびSEM撮影を外部委託する。 上記の圧痕調査に合わせて研究集会を開催し、成果と課題をメンバーで共有するとともに、相互・広域比較に関する議論を行う。冬季にはオンラインで研究集会を開催し、成果・課題の確認、相互・広域比較に関する研究報告を行う。 成果報告として、2021・22年度に実施した福島県和泉遺跡と落合遺跡の圧痕調査の成果を日本考古学協会2024年度総会で発表し、同時に、2023・2024年度成果を速やかにまとめ、国内外の学会報告と査読誌投稿を行う。
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