研究領域 | 動的エキシトンの学理構築と機能開拓 |
研究課題/領域番号 |
23H03951
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
玉井 康成 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (30794268)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 励起子 / 電荷分離 / 有機薄膜太陽電池 / 高速分光 / 過渡吸収分光法 / 電荷移動 / 電荷解離 / 電荷再結合 |
研究開始時の研究の概要 |
有機薄膜太陽電池において優れた電荷生成効率を実現するためには、材料の励起状態と電荷移動状態(CT状態)のエネルギーに十分なエネルギー差(オフセット)が必要であると考えられてきた。 一方、我々はLE-CT状態間にオフセットが無くても高速で電荷生成可能な系を見出しているが、このようなオフセットの無いドナー/アクセプタ ー(D/A)界面における高速電荷移動は従来理論の枠組みでは説明が難しい。 そこで本研究では過渡吸収分光法を中心とした種々の分光学的手法によりD/A界面における電荷ダイナミクスを評価し、オフセットが無いD/A界面における「動的エキシトン」の電荷分離・再結合メカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
有機薄膜太陽電池において優れた電荷生成効率を実現するためには、材料の励起状態(LE状態)と電荷移動状態(CT状態)のエネルギーに十分なエネルギー 差(オフセット)が必要であると考えられてきた。 一方、我々はLE-CT状態間にオフセットが無くても高速で電荷生成可能な系を見出しているが 、このようなオフセットの無いドナー/アクセプタ ー(D/A)界面における高速電荷移動は従来理論の枠組みでは説明が難しい。 そこで本研究では過渡吸収分光法を中心とした種々の分光学的手法によりD/A界面における電荷ダイナミクスを評価し、オフセットが無いD/A界面における「動的エキシトン」の電荷分離・再結合メカニズムを明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PBDB-T/Y系有機薄膜太陽電池について計画通り過渡吸収測定を行い、順調に進捗している
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今後の研究の推進方策 |
本年度も前年度に引き続き、種々の組み合わせでPMn/Ynブレンド膜を作製し、D/A界面で生成する動的エキシトンの物性を系統的に変化させた薄膜について過渡吸収測定を行う。前年度、Yb系レーザーによる過渡分光システムを導入したことにより、PMnの過渡EA信号、Ynの基底状態褪色および電荷の吸収をシームレスに観測することが可能となった。そのため、本年度はこれまで詳細な検討ができていなかった波長800 nm付近の励起状態ダイナミクスを中心に検討する予定である。また、振動エネルギーが電荷移動に及ぼす影響を明らかにすることで、動的エキシトン描像の学理構築を目指す。 一方、電荷再結合に関してはサブピコ秒からナノ秒の時間域での過渡吸収装置を立ち上げ中である。本セットアップの完成を急ぐとともに、本システムを用いて従来測定困難であった上記時間帯の再結合ダイナミクスを詳細に検討する。
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