研究領域 | 動的エキシトンの学理構築と機能開拓 |
研究課題/領域番号 |
23H03955
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷 洋介 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (00769383)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | りん光 / 立体配座 / スピン-軌道相互作用 / 重原子効果 / 分子液体 |
研究開始時の研究の概要 |
有機分子のりん光は、光化学における一大未開拓分野である。分子内の軌道の空間配向、すなわち立体配座はりん光機能において極めて重要と考えられ、その詳細解明は有機りん光に長足の進歩をもたらすと期待される。 本研究では、立体配座およびその励起状態におけるダイナミクスとりん光機能の関係を解明・利用することで、優れた有機りん光材料を開発する。独自の柔軟な有機分子骨格「チエニルジケトン」を基盤として、(1)立体配座とりん光効率の関係解明、(2)配座変化の制御による多機能りん光の実現、および(3)“動的な凝縮系”である分子液体における高効率りん光の実現に挑戦し、動的エキシトンの学理構築に貢献する。
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研究実績の概要 |
有機分子のりん光は、光化学における一大未開拓分野である。分子内の軌道の空間配向、すなわち立体配座はりん光機能において極めて重要と考えられ、その詳細解明は有機りん光に長足の進歩をもたらすと期待される。 本研究では、立体配座およびその励起状態におけるダイナミクスとりん光機能の関係を解明・利用することで、優れた有機りん光材料を開発する。独自の柔軟な有機分子骨格「チエニルジケトン」を基盤として、(1)立体配座とりん光効率の関係解明、(2)配座変化の制御による多機能りん光の実現、および(3)“動的な凝縮系”である分子液体における高効率りん光の実現に挑戦し、動的エキシトンの学理構築に貢献する。 本年度は、(2)配座変化の制御による多機能りん光の実現に関連して、光応答性りん光および光融解を示す有機結晶について領域内の共同研究者と共に論文をまとめた(Chem. Sci. 2023)。ここでは、結晶という束縛された環境下にも関わらず、分子が光刺激によって配座変化を起こし、りん光挙動の変化と相転移(融解)を示すことを明らかにした。これは発光色変化を伴う初めての光融解現象であり、Chemical Science誌の2023 most popular physical and theoretical chemistry articles collectionに選ばれるなど大きな反響を呼んだ。 同じく(2)に関連して推進した環境応答型りん光材料の開発については、設計した分子の合成経路確立に成功した。(1)立体配座とりん光効率の関係解明に関しては、1つの論文を投稿し査読中である。さらに、スピン-軌道相互作用を最大化する立体電子効果の解明に関しても、領域内共同研究による時間分解ESR測定を含めて主要な結果は十分に得られており、補足実験および論文化を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度の早期に共同研究の成果を論文化できたほか、当初計画していた(1)立体配座とりん光効率の関係解明および(2)配座変化の制御による多機能りん光の実現に関する研究についても、上記のように一定の進展がみられた。 ただし、環境応答型りん光材料の開発については、合成にあたって予想外の障壁があり、当初計画していた経路を大きく変更した。その結果、年度内に合成経路を確立することはできたものの、その経路に基づいた複数の類縁体の合成や、物性評価までは完了できていない。 これらの状況を総合的に鑑み、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は主に、①分子形状の変化率に注目した環境粘性応答型りん光材料の開発、②分子性液体のりん光機能における動的エキシトン効果の解明について、領域内の共同研究を含めて遂行する。また、既に実験データがおおむね得られている他の領域内共同研究についても論文化し、広く成果を伝える。
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