公募研究
学術変革領域研究(A)
惑星系誕生の舞台となる星間分子雲では,星間塵(鉱物の微粒子)の温度は10-20Kまで下がり,その表面はCOやCH3OHなどを含むH2O氷(氷星間塵)が形成される.いっぽう,太陽系(惑星系)初期に形成された隕石には「炭素質物質」と呼ばれる黒い固体有機物が存在する.なぜ「星間分子雲の氷星間塵」と「太陽系の隕石の炭素質物質」とでは,両者の化学組成がこれほど異なるのかは未だにわかっていない.本研究では,炭素質物質の生成過程として重要視されている「氷星間塵の光反応」と「鉱物表面の触媒反応」について実験し,炭素質物質の生成効率を明らかにすることで,どちらが隕石の炭素質物質の起源として有力か議論する.