研究領域 | 次世代アストロケミストリー:素過程理解に基づく学理の再構築 |
研究課題/領域番号 |
23H03995
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
深澤 倫子 明治大学, 理工学部, 専任教授 (40409496)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 鉱物進化 / 間隙水 / フォルステライト / 構造解析 / 分子動力学計算 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、鉱物進化における水の機能の解明を目標とする。この目標を達成するため、分子動力学計算および量子化学計算により、鉱物の状態や間隙水量、温度圧力条件に応じた間隙水の構造および物性の変化を解析する。さらに、高温高圧水熱反応実験を実施し、高密度の水を模擬した高温高圧の水と共存するフォルステライトガラスの変成過程を解析する。これらの結果により、理論と実験の両面から高密度の間隙水と共存するフォルステライトガラスの構造変化のメカニズムを明らかしたいと考えている。
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研究実績の概要 |
星間分子雲にはアモルファス氷に覆われたケイ酸塩鉱物微粒子が星間塵として存在する。アモルファス氷を構成する水分子の多くは原始惑星系円盤への変遷に伴う昇温過程で昇華するが、その一部は鉱物粒子間の界面等の隙間に間隙水として閉じ込められると考えられる。間隙水は、同じ温度圧力条件の純水に比べて高密度で電荷の偏った反応性の高い状態にあるため、従来の予測よりも低温で鉱物の水質変成を促進する可能性がある。このことから、鉱物進化の過程を理解する上で、鉱物と共存する水の構造と物性の解明が不可欠であると考えられる。本研究では、主要なケイ酸塩鉱物の一つであるフォルステライトガラスを対象として、理論と実験の両面から高密度の水と共存する鉱物変成のメカニズムを解析する。 これまでにガラス状態および結晶状態のフォルステライトの高温高圧水熱反応実験を実施し、初期構造に依存して生成物の構造が変化することを見出した。さらに、初期構造の変化に伴う構造相転移条件および反応速度の違いについても明らかにしている。今後はさらに生成物の詳細な構造解析を実施し、反応条件に依存した生成物の構造変化の過程を明らかにする。さらに、実験により求めた反応条件と同条件で分子動力学計算を実施し、構造変性のメカニズムを明らかにする。これらの成果を基に、水の状態に応じた変成経路の変化を示し、高密度の水が関与する鉱物の進化モデルを提案したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに研究が進展している。これまでにガラス状態および結晶状態のフォルステライトの高温高圧水熱反応実験を実施し、初期構造に依存して生成物の構造が変化することを見出した。さらに、初期構造の変化に伴う構造相転移条件および反応速度の違いについても明らかにしている。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までに、ガラス状態および結晶状態のフォルステライトの高温高圧水熱反応実験を実施し、初期構造の変化に伴う反応条件、反応速度および生成物の変化を明らかにした。この成果に基づき、本年度はX線回折法およびラマン分光法により生成物の詳細な構造解析を実施し、反応条件に依存した生成物の構造変化を明らかにする。さらに、実験により求めた反応条件と同条件で分子動力学計算を実施し、構造変性のメカニズムを明らかにする。これらの成果を基に、水の状態に応じた変成経路の変化を示し、高密度の水が関与する鉱物の進化モデルを提案する。
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