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高密度分子性ナノコイルの創成と電磁物性の開拓

公募研究

研究領域高密度共役の科学:電子共役概念の変革と電子物性をつなぐ
研究課題/領域番号 23H04018
研究種目

学術変革領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 学術変革領域研究区分(Ⅱ)
研究機関東京農工大学

研究代表者

帯刀 陽子  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (30435763)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
キーワード分子性ナノコイル / 電荷移動錯体 / 電磁物性 / 起電力 / スキャホールド / 分子性導体 / 誘導起電力 / 電磁ナノコイル / 分子集合体 / 高密度
研究開始時の研究の概要

本研究では、起電力を発生させることができる分子性電磁ナノコイルの構造と電磁物性の相関を明らかにし、自己発電型電磁ナノコイルの開発を目指す。本提案では、集合状態で自ら発電可能となる分子性電磁ナノコイルの開発を目指す。具体的には、新規有機導電性分子の合成と分子性電磁ナノコイルの構築、分子性電磁ナノコイルの電磁物性を評価することで、コイル構造と電磁物性の相関を解明する。分子性電磁ナノコイルはピッチ、長さ、巻き数、直径をコントロールすることで高密度共役構造(巻きが強い構造)を形成することが可能となる。

研究実績の概要

電磁誘導を用いて誘導起電力を分子自らが生じる分子性電磁ナノコイルの発見は、学術的、産業的に大きな注目を集めた。しかし、分子性電磁ナノコイルの構造と電磁物性の相関が明らかになっておらず、この点が原因でエレクトロニクス、メディカルデバイスへの応用に支障をきたしている状況にある。本研究で得られるナノコイルが生じる電磁物性は新エネルギーとして重要であり、分子エレクトロニクスデバイス分野を飛躍的に発展させることが期待されているにも関わらず、未だ詳細に解析されていない。
分子性導体にかさ高いキラル分子と水素結合部位を導入することで、非対称な側鎖を付与した分子を種々合成した。様々な有機導電性分子を用いて、分子の両端に異なる分子間相互作用を有する部位を導入することでナノコイル構造を作成した。作成時の溶媒種、乾燥時間、濃度などの外的要因を変化させることで、コイルピッチ、長さ、巻き数、配向性がコントロール可能となるため、多様なサイズ・形状を有するナノコイルを作成した。
分子性電磁ナノコイルの電磁特性は、これまでの研究過程で独自に組み上げた測定装置を用いて評価した。はじめに、これまでの研究で得た分子性電磁ナノコイルについて、誘導起電力データを収集した。続いて、配向性をコントロールした分子性ナノコイルシートを作成し、起電力を測定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの研究で得られた有機導電性分子を合成し、分子集合体ナノコイルを作成した。この材料を用いて、コイル直径、長さ、巻き数をコントロールしたナノコイル群を得た。また、分子性ナノコイルの配向性を制御することで、配向性を有するナノコイルシートを作成した。次に、バルク状態での分子性ナノコイルの電磁物性を評価し、誘導起電力を測定した。磁極からの距離、周波数を変化させることで、誘導起電力の変化を追求し、コイル構造由来の起電力を正確に評価できていることが分かった。配向性、サイズ、長さ等を変化させたコイル群の起電力については、構造変化由来の起電力値の違いが明確に測定できていないため、再測定を行う必要がある。以上のことから本研究はおおむね順調に進行させることができたと考える。

今後の研究の推進方策

これまでの研究で得られた有機導電性分子を合成し、分子集合体ナノコイルを作成し、コイル直径、長さ、巻き数をコントロールしたナノコイル群を得た。正確なサイズ、長さのコントロールが難しく、同サイズ、同形状のコイルを再現性良く作製することが困難であった。そのため、今後は形状制御の因子を明確にし、分子を集合化させる際の温度、湿度、基板等についても検討する。また、分子性ナノコイルの配向性を制御することで、高配向性を有するナノコイルシートを作成できたが、配向性の効果による電気シグナルの変化は電流で評価する必要があることから、評価方法についても検討する。上記の点を明確にした後に、様々なサイズ、形状を有するコイル群の誘導起電力を測定し、構造と物性の相関を明確にする。この時得られたデータを用いて、ターゲットとなる分子や細胞に適した起電力を生じることができるようなナノコイルデバイスを作成する。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] University of Edinburgh(英国)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] Synthesis of C3 symmetric TTF molecules with chiral and hydrogen bonding moieties and preparation of CT complexes with F4TCNQ2024

    • 著者名/発表者名
      T. Iida, S. Nishihara, T. Akutagawa, T. Nakamura, Y. Tatewaki,
    • 雑誌名

      IEICE Technical Report

      巻: 123 ページ: 3-6

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Evaluation of proliferation process of saos-2 cells seeded on Molecular nanocoil scaffolds under the application of magnetic field2024

    • 著者名/発表者名
      N. Maezono, A. Sasaki, A. Matsumoto, S. Nishihara, T. Akutagawa, T. Nakamura, T. Mimami, Y. Tatewaki,
    • 雑誌名

      IEICE Technical Report,

      巻: 123 ページ: 28-29

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 磁場印加下において分子性ナノコイルが生じる誘導起電力を利用したスキャホールド材料の開発2024

    • 著者名/発表者名
      帯刀 陽子
    • 学会等名
      第 6 回 生体膜デザインコンファレンス
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] スキャホールド材料への応用を目指したTTF誘導体とF4TCNQ錯体からなる分子性ナノコイルの作成と電磁特性2024

    • 著者名/発表者名
      帯刀 陽子1、南 豪2、西原 禎文3,4、芥川智行5、中村貴義6
    • 学会等名
      日本化学会第104春季年会2024
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 水素結合とキラル部位を有するTTF誘導体の合成とF4TCNQ錯体を用いた1次元螺旋組織体の評価2024

    • 著者名/発表者名
      廣瀬 史哉1・西原 禎文2,3・南 豪4・芥川 智行5・中村 貴義6・帯刀 陽子1
    • 学会等名
      日本化学会第104春季年会2024
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 分子性ナノコイルを用いたスキャホールドの作成と細胞培養への応用2024

    • 著者名/発表者名
      佐々木 青葉1、前園 宜孝1、松本 彬2、西原 禎文3,4、芥川 智行5、中村 貴義6、南 豪2、帯刀 陽子1
    • 学会等名
      日本化学会第104春季年会2024
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 分子性ナノコイルスキャホールドを用いたSaos-2 細胞の培養とその電気シグナルを用いた細胞増殖の評価2023

    • 著者名/発表者名
      前園 宜孝1, 松本 彬2, 佐々木 青葉1, 西原 禎文3, 4, 芥川 智行5, 中村 貴義6, 南 豪2, 帯刀 陽子1
    • 学会等名
      動的分子を機序にした分子固体化学の探究 第2 回研究会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 電荷移動錯体から成る分子性ナノコイルの作成及びその応用展開2023

    • 著者名/発表者名
      秋山雄貴1, 西原 禎文3, 4, 芥川 智行5, 中村 貴義6, 南 豪2, 帯刀 陽子1
    • 学会等名
      動的分子を機序にした分子固体化学の探究 第2 回研究会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 末端に水素結合・キラル部位を有するTTF 誘導体の合成とその F4TCNQ 錯体からなる 1 次元螺旋組織体の作成と評価2023

    • 著者名/発表者名
      廣瀬史哉1, 西原 禎文3, 4, 芥川 智行5, 中村 貴義6, 南 豪2, 帯刀 陽子1
    • 学会等名
      動的分子を機序にした分子固体化学の探究 第2 回研究会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] TTF誘導体と F4TCNQ からなる分子性ナノコイルスキャホールドの作成と Saos-2 細胞培養への利用2023

    • 著者名/発表者名
      佐々木 青葉1, 前園 宜孝1, 松本 彬2, 西原 禎文3, 4, 芥川 智行5, 中村 貴義6, 南 豪2, 帯刀 陽子1
    • 学会等名
      動的分子を機序にした分子固体化学の探究 第2 回研究会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] キラル部位と水素結合部位を有する3回対称TTF分子の合成とF4TCNQとのCT錯体の作成2023

    • 著者名/発表者名
      飯田 大雅1, 西原 禎文2,3, 芥川 智行4, 中村 貴義5, 帯刀 陽子1
    • 学会等名
      電子情報通信学会 有機エレクトロニクス研究会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 磁場印加下における分子性ナノコイルスキャホールド上に播種したSaos-2細胞の増殖過程評価2023

    • 著者名/発表者名
      前園 宜孝1, 松本 彬2, 佐々木 青葉1, 西原 禎文3, 4, 芥川 智行5, 中村 貴義6, 南 豪2, 帯刀 陽子1
    • 学会等名
      電子情報通信学会 有機エレクトロニクス研究会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [備考] 東京農工大学 帯刀研

    • URL

      https://web.tuat.ac.jp/~tatewaki/member.html

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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