研究領域 | マテリアルシンバイオシスための生命物理化学 |
研究課題/領域番号 |
23H04049
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
真栄城 正寿 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (40744248)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | エクソソーム / ウイルス様粒子 / マイクロ流体デバイス / 脂質ナノ粒子 / リポソーム / 核酸送達 |
研究開始時の研究の概要 |
エクソソームは、50~200 nm程度の細胞外小胞であり、細胞間のコミュニケーションを担っている。また、COVID-19に対するmRNAワクチン接種者の血中から、スパイクタンパク質(Sタンパク質)を表面に提示したエクソソームが検出され、生体と共生している可能性が示唆された。そこで本研究では、Sタンパク質提示したエクソソームを人工的に創成し、核酸送達マテリアルとしての応用可能性を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、生体と共生可能なウイルスを模倣したエクソソームの開発に取り組む。エクソソームは、細胞から放出される50 nm ~ 200 nm程度の小胞であり、細胞間のコミュニケーションの役割やがんの転移に関与している。近年、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質(Sタンパク質)が表面に提示されたエクソソームが確認されており、新たなエクソソームの機能や核酸送達マテリアルとしての応用可能性がある。 本年度は、①Sタンパク質を提示した人工エクソソームの作製法の確立、②作製したSタンパク質提示人工エクソソームの物性および活性の評価に取り組んだ。 ①ヒトの細胞に近い脂質系を用いて、Sタンパク質を粒子表面に提示する方法を検討した。これまでに開発した脂質ナノ粒子作製用のマイクロ流体デバイスをもとに、Sタンパク質提示人工エクソソーム作製のために流路構造を最適化した。また、マイクロ流体デバイスへの送液条件を検討し、流路構造や送液条件が、生成する粒子の粒径やSタンパク質提示量に与える影響を明らかにした。 ②作製したSタンパク質を提示した人工エクソソームの粒径や多分散度、Z電位などの物性の評価および粒子表面へのSタンパク質の提示の評価を行った。また、Sタンパク質の提示と同時に内部への核酸の搭載を試みた。ELISAおよびフローサイトメトリーによって、Sタンパク質の提示を確認した結果、粒子作製条件によってSタンパク質の提示量を制御できることが分かった。また、粒子内部への核酸の搭載も確認された。細胞実験の結果、Sタンパク質が提示されている粒子は、提示されていない粒子よりも核酸送達性能が高いことが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画のとおり、Sタンパク質提示人工エクソソームの作製法を確立し、物性および活性の評価を達成した。また、次年度に予定していた研究に一部着手できているため、概ね順調に研究は進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、Sタンパク質提示人工エクソソームライブラリーを構築し、細胞およびマウスでの評価を進める、これらの評価によって、Sタンパク質提示人工エクソソームの生体との共生関係について明らかにする。
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