研究領域 | 超秩序構造が創造する物性科学 |
研究課題/領域番号 |
23H04117
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
細川 伸也 熊本大学, 産業ナノマテリアル研究所, 特任教授 (30183601)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 超構造科学 / 機能性ゼオライト / 放射光 / 部分原子構造 / 電子状態 / ダイナミクス / 多孔質物質 / 原子配列 / 電子構造 |
研究開始時の研究の概要 |
重要な機能性を発現する材料の一つとして注目されているゼオライトを対象として、元素選択性あるいは電子状態選択性を持つ放射光を用いた X線異常散乱や蛍光X線ホログラフィーによる3次元原子イメージの構築、軟X線発光分光による部分電子構造、非弾性散乱による元素選択型のダイナミクスと、それを助けるデータ科学としてスパース・モデリングとベイズ推定を取り入れ、協奏的にゼオライトの基礎物性に迫る。またそれらの実験結果は密度汎関数法による理論計算で正当性を明らかにする。それらの成果は、新しいゼオライト合成にフィードバックするとともに、その新しい機能性を提案する。
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研究実績の概要 |
数多くの重要な機能性を発現する材料として注目されているゼオライトを対象として、その原子配列、電子状態およびダイナミクスの基礎物性を放射光を用いて観測を行った。排ガス純化触媒として用いられている鉄あるいは銅を含むゼオライトについてX線異常散乱の実験を行い、鉄あるいは銅のまわりの部分原子配列を求めた。また高エネルギーX線回折法を用いて、全体の構造を明らかにし、2体分布関数解析を詳細に行った。さらにこれらの金属元素を含むゼオライトの原子振動についてX線非弾性散乱測定を行った。これらの実験結果より、鉄あるいは銅の金属原子がクラスターを形成している兆候を見出した。電子状態の観点からは、軟X線吸収・発光分光法を用いて、酸素2pあるいは鉄あるいは銅3d部分電子構造を求めた。今後は密度汎関数理論計算を行うことにより、実験的に得られた物性を理論的にサポートするとともに、ゼオライトの機能発現のメカニズムを明らかにし、機能の高度化に貢献したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた実験については、概ね想定した結果を得ている。特に、金属クラスターの存在を示唆する結果は、ゼオライトの触媒機能を考察する上で、極めて重要なヒントとなり得る。今後の密度汎関数理論計算の大きな問題は、ゼオライトの単位格子が非常に大きく、実験で求めた金属クラスターの存在を証明するには、大型計算機の利用が不可欠であるため、新たな計算プログラムを考案する必要があり、その開発に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
排ガス純化触媒として用いられている鉄あるいは銅を含むゼオライトについては、予定していた実験はほぼ終わったので、その結果を矛盾なく説明する密度汎関数理論計算を行っていきたい。ゼオライトの単位格子が非常に大きく、実験で求めた金属クラスターの存在を証明するには、大型計算機の利用が不可欠であるため、新たな計算プログラムを考案する必要があるので、今後はそこに集中して研究を進めていきたい。
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