研究領域 | グリアデコーディング:脳-身体連関を規定するグリア情報の読み出しと理解 |
研究課題/領域番号 |
23H04160
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
遠藤 史人 名古屋大学, 環境医学研究所, 特任講師 (10713307)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / アストロサイト / ミクログリア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、(1)まず、申請者のADモデルマウスのscRNA-seqのデータをもとに病態と関連する疾患特異的なグリア細胞間のシグナル伝達異常を探索する。(2)次に、アストロサイト特異的なプロテオミクスの解析法を開発し、(1)のデータと組み合わせることにおより、病態の鍵となる分子・シグナル伝達異常をタンパク質レベルでも網羅的に探索する。(3)そして、それを標的としたADモデルマウスの治療実験を試み、ADの新たな治療法を開発することを目的とする。
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研究実績の概要 |
アルツハイマー病(AD)は加齢依存性に発症する認知症の代表的な原因疾患であるが、病態を抑止する治療法は開発されていない。老人斑に集簇するミクログリアやアストロサイトは活性化状態となるが、病因タンパク質のアミロイドβに対して異常応答し神経炎症をきたすことによりADの病態の悪化に積極的に寄与すると考えられている。シングルセルRNAシークエンス(scRNA-seq)などの近年の研究手法の進展により、これらのグリア細胞における疾患特異的な遺伝子変化が徐々に明らかになってきたが、神経炎症を構成するミクログリアとアストロサイトの細胞間相互作用の分子メカニズムは未解明である。本研究課題では、まず、申請者のADモデルマウスのscRNA-seqのデータをもとに病態と関連する疾患特異的なグリア細胞間のシグナル伝達異常を探索する。次に、アストロサイト特異的なプロテオミクスの解析法を開発し、scRNA-seqのシグナル伝達解析の結果と組み合わせることにおより、病態の鍵となる分子・シグナル伝達異常をタンパク質レベルでも網羅的に探索する。そして、それを標的としたADモデルマウスの治療実験を試み、ADの新たな治療法を開発することを目的とする。今年度は、申請者のAPP/PS1マウスのscRNA-seqのデータベースを用いて、ミクログリア、アストロサイトのサブクラスター解析を行い、ミクログリアとアストロサイトの細胞間シグナル伝達をCellChatを用いて解析した。さらに、申請者らが開発したBioID法を応用したアストロサイト特異的プロテオミクスにより、APP/PS1マウスのアストロサイト特異的な膜タンパク質の発現解析を行った。次年度では、これらのデータ解析から治療標的となる神経炎症関連分子の同定し、APP/PS1マウスの治療実験を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書の研究計画①と研究計画②はほぼ完了しており、次年度では研究計画③を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度では、研究計画③について、APP/PS1マウスのアストロサイト特異的プロテオーム解析とscRNA-seqのアストロサイトとミクログリアのインタラクトーム解析の結果から、治療標的となりうる神経炎症関連分子を同定する。次に、その遺伝子を標的としたPHP.eBウィルスを用いた遺伝子ノックアウトまたは過剰発現による治療実験を行う。また、国内外の学会に参加し、積極的に研究発表したいと考えている。
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