研究領域 | グリアデコーディング:脳-身体連関を規定するグリア情報の読み出しと理解 |
研究課題/領域番号 |
23H04167
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
稲生 大輔 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任講師(常勤) (40721981)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | オキシトシン / 蛍光イメージング / アストロサイト / グリア細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
オキシトシンは、脳内における「幸せの素」として注目されているが、その脳内動態は謎に包まれていた。申請者はこれまでに、オキシトシンの脳内動態を蛍光測定により高感度計測する手法を独自開発し、マウス脳内においてオキシトシン動態の解明に取り組んできた。驚くべき結果として、オキシトシンは振動様の動態を取るなど、複雑なパターンにより情報が符号化されていることが世界に先駆けて明らかとなった。オキシトシンの脳内標的は未だ謎が多いが、扁桃体のアストロサイトの細胞内Ca2+シグナルが有力なデコーダーとして最近注目されている。本研究では、申請者の独自ツールを駆使してその情報処理機構に迫りたい。
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研究実績の概要 |
脳内で“幸せ”という感覚は何に起因するのであろうか? これまでに幸せを感じると脳の中では、オキシトシンと呼ばれる“幸せホルモン”が増加することが示唆されてきている。しかしながら、既存手法を用いて、生きた動物の脳内のオキシトシン動態を精度よく計測することは困難である。そこで、脳内におけるオキシトシン動態を蛍光イメージングにより高感度測定のための新規技術開発を行ってきた。オキシトシン受容体の細胞内ドメインにGFPを挿入したキメラタンパク質にランダム変異を導入し指向性分子進化を施すことで、オキシトシン結合により約8倍蛍光強度が変化する世界初のオキシトシン蛍光センサーを開発することに成功した。本蛍光センサーを、アデノ随伴ウイルスにより生きたマウス脳内に導入し、ファイバーフォトメトリー法によるin vivo脳内オキシトシン動態測定を行ったところ、脳内においてオキシトシンは刺激の種類や行動パターンに依存して多種多様な応答を示すことが明らかとなった。次なる課題は脳内で変動するオキシトシンの信号がどの細胞種が読み取っているか? という謎を明らかにすることである。これまで様々な脳部位の神経細胞が脳内のオキシトシンシグナルの主要な標的として想定され、研究が繰り広げられてきた。しかしながら近年、グリア細胞もオキシトシンのデコーダーとなる可能性が示唆されてきている。そこで本研究では、脳内にオキシトシン刺激が入力した時に脳内のどのグリア細胞の応答を示すかを明らかにすることを目指した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予備的な実験として、脳内にオキシトシンを付加した時の、グリア細胞の活性化を解析した。すると一部のグリア細胞において活性化マーカーであるc-fosの発現が上昇することが明らかとなった。c-fos陽性細胞がどのような細胞集団であるかは解析中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は光遺伝学/薬理遺伝学や生理的な刺激を与えた時に同様の脳内反応が見られるかを明らかにしていきたい。また、オキシトシン刺激を受容したグリア細胞から神経細胞に対しては様々なフィードバックシグナルが送られていると推測される。新たな可視化プローブを開発するなどして、オキシトシンを基軸とした神経-グリア間相互作用の実体に迫っていきたい。
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