研究領域 | グリアデコーディング:脳-身体連関を規定するグリア情報の読み出しと理解 |
研究課題/領域番号 |
23H04181
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
七田 崇 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (00598443)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 脳修復 / 脳卒中 / 神経修復 / 神経化学 / ミクログリア |
研究開始時の研究の概要 |
脳はグリア細胞と神経細胞によって恒常性が維持されており、脳組織が損傷した場合には、いち早くグリア細胞が応答して脳組織の修復を担う。本研究課題では、脳組織の虚血壊死(脳梗塞)の際に、脳修復を担うミクログリア、神経細胞に着目して、修復に関わった脳細胞の運命を明らかにする。グリア細胞、神経細胞を脳から単離した一細胞・全細胞レベルの遺伝子発現解析と、生体内カルシウムイメージングによる神経回路再構築の定量解析を駆使することにより、修復性ミクログリア、神経細胞による脳機能回復の維持に必要な細胞情報をデコードする。
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研究実績の概要 |
脳梗塞後の神経修復を開始させる分子・細胞メカニズムは未解明であり、脳血管障害における網羅的な脂質解析に基づく脂質代謝研究はほとんど行われていない。本研究によって、脳保護・修復的な脂質を同定し、その作用機序と生成メカニズムを解明することにより、治療剤の開発を目指した。脳梗塞亜急性期において梗塞周辺部の神経細胞から産生されるPLA2G2Eによって、脳梗塞後の膜残骸に含まれるphosphatidylserineを基質として15-HETrEのようなジホモγリノレン酸の代謝物が生成される。これらの脂質代謝物は、梗塞周辺部の神経細胞Padi4の発現を誘導し、ヒストンのシトルリン化を介してglobalな転写制御を行い、脳修復的な遺伝子発現をもたらす。15-HETrEやジホモγリノレン酸を用いた治療剤開発によって、脳梗塞患者の神経機能予後を改善できると考えられる。脳は永らく回復しない臓器であると考えられていたが、かなり劇的かつ自律的な修復機能を備えた臓器であることが証明できた(Neuron 2023、PCT出願済み)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳はグリア細胞と神経細胞の相互作用によって、脳損傷の場合に修復メカニズムを発現させることができる。本研究によって神経細胞における脳機能回復に必要なメカニズムが解明できており、脳梗塞後の修復誘導にかかるグリアデコードを明らかにすることができる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題によって明らかになりつつある、修復性神経細胞や修復性グリア細胞の誘導メカニズムと、これらの修復機能を維持する分子メカニズムの詳細を解明する。具体的には、修復機能を持つミクログリアを脳内から単離し次世代シークエンス解析によって一細胞レベルで遺伝子発現パターンを解析する。脳梗塞後の機能回復にかかる修復メカニズムの維持に必要な転写因子群を同定し、これらを制御することによって修復維持のためのグリアデコードを解明すると同時に、脳機能回復を持続促進させる治療薬開発を行う。
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