公募研究
学術変革領域研究(A)
多細胞生物は、機能の異なる器官や組織が協調して働くことで、個体として適切なパフォーマンスを発揮していると考えられる。芽生えた場所で生涯を過ごす植物において、時空間的に不均一な環境に適応してその発生と成長を調節することは繁殖の成功に重要である。本研究では、植物の全身シグナル伝達機構のうち、篩管を介して長距離移行されるmRNAに着目して植物が不均一な環境に適応するシステムの一端を明らかにする。ゲノムDNAがRNA転写を経てリアルタイムで細胞内情報となり、篩管を介して細胞非自律的に全身に運ばれる現象であり、刻々と変化する不均一環境のもとで、植物がいかに強靭に恒常性を維持しているのか、その原理に迫る。