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レム睡眠の操作が可能なマウスを用いた睡眠の質が臨界期を規定する機構の解明

公募研究

研究領域脳の若返りによる生涯可塑性誘導ーiPlasticityー臨界期機構の解明と操作
研究課題/領域番号 23H04210
研究種目

学術変革領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 学術変革領域研究区分(Ⅲ)
研究機関筑波大学

研究代表者

林 悠  筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 客員教授 (40525812)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
2024年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
キーワード睡眠 / マウス
研究開始時の研究の概要

睡眠は産まれた直後に多く、また、その質は成体とは異なることから、幼少期の睡眠固有の脳活動が、脳発達や臨界期可塑に重要である可能性がある。マウスでは、生後の一定期間の生育環境が、その後の生涯にわたる社会性行動等に影響するという臨界期可塑性がある。本研究では、我々が同定したマウスの睡眠制御細胞に注目し、その活動に人為的に操作した際に、脳発達や臨界期可塑への影響を解明するとともに、成体期の可塑性誘導に挑戦する。

研究実績の概要

レム(急速眼球運動)睡眠の生理的役割はほとんど分かっていないが、ヒトでは産まれた直後に多いことから、レム睡眠固有の脳活動が、脳発達に重要である可能性がある。さらに、マウスにおいては、様々な脳機能の臨界期と、レム睡眠が多い時期が重なることから、レム睡眠は臨界期可塑性にも関わる可能性が考えられる。そこで本研究では、我々が同定したマウスの睡眠制御細胞に注目し、レム睡眠が脳の臨界期の規定に関わる可能性を検証する。まず、マウスのレム睡眠を制御する細胞に、細胞死を誘導するアデノ随伴ウイルスベクターを導入し、その後の影響を調べたところ、いくつかの細胞種の分化成熟・増殖に影響が生じていることが判明した。そこでさらに、これらの細胞種の分化成熟・増殖と脳の臨界期の関係を検討することとした。マウスの臨界期可塑性の研究モデルとして、特定の環境刺激が、離乳直後の若齢期に与えられた場合に、そのマウスの生涯にわたる行動に影響を与えることに注目した。まず、この環境刺激が上記の細胞種に与える影響を検討した。その結果、上記の環境刺激は、レム睡眠の遺伝学的阻害とは異なる効果をもたらす可能性が高いことが判明した。このことから、覚醒中の環境刺激がもたらす脳活動と、その後のレム睡眠中の脳活動が、脳の発達過程で異なる作用をもたらすことで、脳の臨界期と成熟のバランスを司る可能性が見えてきた。この可能性をさらに検証するために、離乳直後のマウスのレム睡眠を阻害し、脳を採取し、免疫染色等の解析を実施した。また、次年度に、光遺伝学的手法によってレム睡眠特異的に注目する細胞の活動に介入するために、自動的にレム睡眠を検出して、レム睡眠中に異的に光ファイバーへのレーザー照射をオンにする実験系を確立した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね研究計画通りに進んでいるため、このように判断した。

今後の研究の推進方策

引き続き、当初の研究計画に則り進める。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件)

  • [雑誌論文] Crucial role of TFAP2B in the nervous system for regulating NREM sleep2024

    • 著者名/発表者名
      Nakai Ayaka、Kashiwagi Mitsuaki、Fujiyama Tomoyuki、Iwasaki Kanako、Hirano Arisa、Funato Hiromasa、Yanagisawa Masashi、Sakurai Takeshi、Hayashi Yu
    • 雑誌名

      Molecular Brain

      巻: 17 号: 1

    • DOI

      10.1186/s13041-024-01084-8

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Forward genetic screen of Caenorhabditis elegans mutants with impaired sleep reveals a crucial role of neuronal diacylglycerol kinase DGK-1 in regulating sleep2023

    • 著者名/発表者名
      Chen Chung-Kuan、Kawano Taizo、Yanagisawa Masashi、Hayashi Yu
    • 雑誌名

      GENETICS

      巻: 225 号: 2

    • DOI

      10.1093/genetics/iyad140

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] レム睡眠の生理的意義に関する遺伝学的解析2023

    • 著者名/発表者名
      林 悠
    • 学会等名
      日本発達神経科学会第12回学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] レム睡眠の神経回路メカニズムに関するマウスからのアプローチ2023

    • 著者名/発表者名
      林 悠
    • 学会等名
      日本睡眠学会第45回定期学術集会・第30回日本時間生物学会学術大会合同大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Analyses of the function of REM sleep in brain maintenance and stress resilience2023

    • 著者名/発表者名
      林 悠
    • 学会等名
      第46回日本神経科学大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Analyses of the mechanisms and function of REM sleep2023

    • 著者名/発表者名
      Yu Hayashi
    • 学会等名
      The 2nd CJK International Meeting
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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