研究領域 | 脳の若返りによる生涯可塑性誘導ーiPlasticityー臨界期機構の解明と操作 |
研究課題/領域番号 |
23H04233
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
内匠 透 神戸大学, 医学研究科, 教授 (00222092)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2024年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | PSD / 神経発達 / シナプス |
研究開始時の研究の概要 |
シナプスの生後発達において、スパインの数、構造、動態は大きく変化する。シナプス研究は神経科学の中心領域であり、様々な成果が得られ、臨床的にも精神神経疾患における重要性が理解されるようになった。またオミクス技術の進展により、分子的にも網羅的な解析が可能になってきた。しかし、臨界期に重要な発達依存的なシナプス分子、特にタンパク質レベルでの網羅的データを収集する体系的な仕事は未だ存在しない。本研究では、マウス及び霊長類での後シナプスタンパク質の発達時期に沿った網羅的解析を行い、バイオインフォマティクス解析を駆使して、臨界期を考える上で重要なシナプスの生後発達をタンパク質のレベルで理解する。
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研究実績の概要 |
本研究は、齧歯類(マウス)及び霊長類(マーモセット)におけるシナプス発達過程に関わる後シナプス肥厚(PSD, postsynaptic density)タンパク質を網羅的かつ発達時期依存的に解析することにより、臨界期におけるシナプス発達の分子的理解を得ることを目的とする。PSDタンパク質は、神経伝達物質受容体、細胞間接着分子、足場タンパク質、シグナル伝達酵素を含む1,000以上のタンパク質からなり、シナプス伝達やシナプス可塑性に必須のタンパク質群である。これまでに、PSDタンパク質のプロテオーム解析等による網羅的な解析は複数存在するが、驚くべきことに発達時期依存的にかつ網羅的に解析された例は未だ存在しない。また、マウスとヒトのシナプス発達には時期的相違があり、ヒトを知るためには霊長類における発達時期依存的かつ網羅的解析は必須であるが挑戦的であり、これまでにそれらの報告はない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
シナプス後タンパク質はシナプスの機能と可塑性において重要な役割を果たしている。脳が発達する過程で、シナプスの数、形、安定性に変化が起こり、シナプスの成熟として知られている。しかし、発生過程におけるシナプス後タンパク質組成の変化については完全には解明されていない。ここでは、発達中の雄マウスにおけるシナプス後プロテオームの軌跡を調べた。生後2、3、6、12週齢のマウスのプロテオーム解析から、シナプス形成に関与するタンパク質がこの時期に異なる発現を示すことが示された。公開されているトランスクリプトームデータセットの解析から、生後2週間以降のマウスの脳におけるシナプス後タンパク質組成の変化は、遺伝子発現の変化と相関していることが示された。
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今後の研究の推進方策 |
シナプスの生後発達において、スパインの数、構造、動態は大きく変化する。シナプス研究は神経科学の中心領域であり、様々な成果が得られ、臨床的にも精神神経疾患における重要性が理解されるようになった。またオミクス技術の進展により、分子的にも網羅的な解析が可能になってきた。しかし、臨界期に重要な発達依存的なシナプス分子、特にタンパク質レベルでの網羅的データを収集する体系的な仕事は未だ存在しない。本研究では、マウスに加えてさらに霊長類での後シナプスタンパク質の発達時期に沿った網羅的解析を行い、バイオインフォマティクス解析を駆使して、臨界期を考える上で重要なシナプスの生後発達をタンパク質のレベルで理解する。
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