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高時空間解像度イメージングという視点から翻訳の典型的・非典型的な制御機構に迫る

公募研究

研究領域マルチファセット・プロテインズ:拡大し変容するタンパク質の世界
研究課題/領域番号 23H04251
研究種目

学術変革領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 学術変革領域研究区分(Ⅲ)
研究機関東京大学

研究代表者

小林 穂高  東京大学, 定量生命科学研究所, 客員准教授 (80802975)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
キーワードmRNA / 翻訳 / poly(A)鎖 / イメージング / 細胞内1分子イメージング
研究開始時の研究の概要

翻訳はmRNAの配列情報をもとにタンパク質を合成する過程であり、多面的なタンパク質世界の中核をなす現象です。本研究では、翻訳の制御過程を細胞内において高時空間解像度でイメージングできる新規技術(Kobayashi & Singer, 2022, Nature Commun.)を活用し、近年論争になっている「翻訳はpoly(A)鎖によって促進されるのか・されないのか?」といった問いに、mRNA一つ一つの翻訳状態を細胞内で実際に可視化することで答えます。これにより、翻訳の典型的・非典型的な制御機構に迫ります。

研究実績の概要

翻訳は、mRNAの配列情報をもとにタンパク質を合成する過程であり、多面的なタンパク質世界の中核をなす現象である。その重要性ゆえに、これまで長らく精力的に先行研究が行われてきたが、実はその大部分は生化学的な手法(細胞を破砕して得られるライセートを用いた手法など)によるものである。これはすなわち、多面的なタンパク質世界を長年にわたり「同一の視点」から眺めてきたような状況ともいえる。そこで本研究では、翻訳の制御過程を細胞内において高時空間解像度でイメージングできる申請者独自の新規技術(Kobayashi & Singer, 2022, Nature Commun.)を「新しい視点」として活かし、近年論争になっている「翻訳はpoly(A)鎖によって促進されるのか・されないのか?」といった問いに、mRNA一つ一つの翻訳状態を細胞内で実際に可視化することで答える。これにより、多面的なタンパク質世界を理解する一助として、翻訳の典型的・非典型的な制御機構について理解を深めることを目的としている。2023年度の研究実績の概要としては、本研究の要となるpoly(A)鎖が有り・無しのレポーターmRNAを細胞内において発現させる系を確立すると共に、本発現系とイメージング系の最適化を精力的に進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度までの進捗状況としては、まず本研究の要となるpoly(A)鎖が有り・無しのレポーターmRNAを細胞内において発現させる系を確立し、双方の翻訳活性を実際に細胞内で可視化した。具体的には、レポーターmRNAを内在性のmRNAと同程度の細胞内濃度で発現させ、smFISHと呼ばれる手法によりmRNAを1分子感度で可視化した。同時に、SunTag(レポーターmRNAのORFにコードされている)と呼ばれるペプチドを免疫染色し、mRNA上の新生ペプチドも1分子感度で可視化することで、その翻訳活性も可視化した。以上の進捗状況を踏まえると、本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

2023年度までの進捗状況を受けて、2024年度においては、MATLABを用いた画像解析フローにより、細胞内の全てのmRNAについて翻訳活性の定量化を進める。以上の定量解析を、poly(A)鎖が有り・無しのレポーターmRNA双方について行い、比較統計解析を行う。さらに、poly(A)鎖が有り・無しのレポーターmRNAだけでなく、poly(A)鎖の長さを段階的に変化させた新規レポーターmRNAシリーズについても構築し、比較統計解析に追加する。これにより、これまでの翻訳研究の中で最も信頼できるレベルで、翻訳とpoly(A)鎖の因果関係を(有無だけでなく、長さとの関係性についても)検証する。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] microRNAによる遺伝子サイレンシングの1分子解析2023

    • 著者名/発表者名
      Neina Motoki, Yukihide Tomari, Hotaka Kobayashi
    • 雑誌名

      生物物理

      巻: 63 号: 3 ページ: 160-162

    • DOI

      10.2142/biophys.63.160

    • ISSN
      0582-4052, 1347-4219
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 蛋白質合成の制御過程を細胞内1分子イメージングで見る2023

    • 著者名/発表者名
      小林 穂高
    • 学会等名
      第23回 日本蛋白質科学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Imaging translation at different mRNA ages2023

    • 著者名/発表者名
      Neina Motoki, Yukihide Tomari, Hotaka Kobayashi
    • 学会等名
      第24回 日本RNA学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] ncRNAが機能する様子をこの目で見てみたい2023

    • 著者名/発表者名
      小林 穂高
    • 学会等名
      第63回 生物物理若手の会 夏の学校
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ストレス応答を支えるmicroRNA-その背後にある不思議な現象を複合的なオミクス解析から紐解く-2023

    • 著者名/発表者名
      小林 穂高
    • 学会等名
      第17回 日本臨床ストレス応答学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [備考] 小林穂高 researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/hota-koba

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [備考] 小林穂高 研究室

    • URL

      https://sites.google.com/view/h-kobayashi-lab

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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