研究領域 | マルチファセット・プロテインズ:拡大し変容するタンパク質の世界 |
研究課題/領域番号 |
23H04254
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平山 尚志郎 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (80548280)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | タンパク質分解 / ユビキチン / プロテアソーム / タンパク質品質管理 / 質量分析計 / ubiquitin / proteasome / ribosome / C6orf106 |
研究開始時の研究の概要 |
新生タンパク質の30%程度は、ユビキチン化を受け、合成後速やかに分解されていることが、20年前に報告されているが、どのようなタンパク質が合成後速やかに分解されているのかよくわかっていない。近年の研究により、本来の開始コドン以外から始まる、イントロン、UTRから翻訳されるなど、非典型的な翻訳が存在することがわかってきた。そこで本研究では、不安定だとされる非典型的な翻訳産物を含めて、共翻訳的に分解されるタンパク質がどのようなものかUb化ペプチドに注目しながら同定し、共翻訳的なタンパク質分解の可視化と、これら現象の生理的意義を明らかにすることを研究目的とする。
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研究実績の概要 |
細胞内で、役割を終えたタンパク質や安定な構造を取れないタンパク質は、ユビキチン (Ub)リガーゼによるUb化を受け、プロテアソームによる分解を受ける。しかし、種々のストレスや加齢などによりプロテアソーム機能の低下が引き起こされると、Ub化タンパク質は効率よく分解されなくなり、主に細胞質内に蓄積する。ところが、何故Ub化タンパク質が核ではなく細胞質に蓄積するのか、核にUb化タンパク質が蓄積しないことは細胞の生存に有利なのか、不明な点が多かった。この不明点に応える発見として、申請者は、Ub化タンパク質が核から細胞質に運び出されていることを報告した。さらに genome-wide siRNA screenにより、培養細胞においてUb化タンパク質を核から細胞質に運び出す因子として、C6orf106を同定している。申請者は、C6orf106が主にUb化された新生タンパク質を核外搬出していること、スプライシング異常mRNA由来のタンパク質がC6orf106核外搬出の基質となりえることを発見している。 新生タンパク質の30%程度は、Ub化を受け、合成後速やかに分解されていることが、20年前に報告されているが、どのようなタンパク質が合成後速やかに分解されているのかよくわかっていない。近年の研究により、本来の開始コドン以外から始まる、イントロン、UTRから翻訳されるなど、非典型的な翻訳が存在することがわかってきた。そこで本研究では、不安定だとされる非典型的な翻訳産物を含めて、共翻訳的に分解されるタンパク質がどのようなものかUb化ペプチドに注目しながら同定し、共翻訳的に分解されなかったUb化タンパク質が核にたまることで起きる細胞機能異常を明らかにする。そのことで、共翻訳的なタンパク質分解と、Ub化タンパク質核外搬出機構を可視化し、これら現象の生理的意義を明らかにすることを研究目的とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
翻訳後速やかに、共翻訳的に分解されるタンパク質の同定を、BONCAT法と質量分析計を使用して試みた。HAP1細胞とHEK293T細胞において共翻訳的に分解されるタンパク質、典型的な翻訳産物を100-200種類同定することができた。さらにC6orf106をノックダウンした時に核に蓄積するユビキチン化タンパク質の同定を、HAP1細胞を用いて試みた。核画分からユビキチン化ペプチドを精製し、質量分析計を用いて解析した結果、1000種類程のユビキチン化ペプチドがC6orf106ノックダウン時に核に蓄積することがわかった。
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今後の研究の推進方策 |
これまで同定した共翻訳的に分解されるタンパク質、ペプチドのデータの中に、本来の開始コドン以外から始まる、イントロン、UTRから翻訳されるなど、非典型的な翻訳が存在するか解析を行う。C6orf106ノックダウン時に核に蓄積するユビキチン化ペプチドについても同様の解析を行う。これまでの解析から、C6orf106がmRNAとリボソームを含めた複合体と、ユビキチンを介して相互作用していることを明らかにしている。そこで、この複合体中のリボソームが翻訳を行っているのか、翻訳を行なっているとするならばどのような遺伝子の翻訳を行なっているのかRibo-seqによって明らかにする。Ribo-seqの結果は先のプロテオームの結果と照らしあわせ、共通するものが含まれていないか確認するとともに、C6rf106がどういったユビキチン化新生鎖のタンパク質品質管理に関与するのか、典型的翻訳産物、非典型的翻訳産物両方に注目しながら解析を進めていく。
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