研究領域 | マルチファセット・プロテインズ:拡大し変容するタンパク質の世界 |
研究課題/領域番号 |
23H04258
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山崎 智弘 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 特任講師(常勤) (90732280)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 細胞内相分離 / 非膜性構造体 / RNA / 構成的アプローチ / MCPタンパク質ライブラリー / タンパク質 / RNA結合タンパク質 / 天然変性タンパク質 / ハイコンテントスクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
相分離により構築される非膜性構造体は、細胞内の混雑した環境で、特定の分子を集約した区画を作り出すことで、様々な細胞内プロセスにおいて重要な役割を果たす。しかし、こうした非膜性構造体形成の核となり、性質や機能を規定する細胞内相分離を理解する上で要となるタンパク質の全体像は明らかになっていない。そこで、本研究では、独自に確立した人工構造体実験系を用いて、非膜性構造体の形成を先導するタンパク質を大規模に探索する。さらに、同定したタンパク質の構造体誘導メカニズムを明らかにする。こうした解析から、細胞内相分離誘導というタンパク質の機能側面についてそのルールを系統的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
相分離により構築される非膜性構造体は、細胞内の混雑した環境で、特定の分子を集約した区画を作り出すことで、様々な細胞内プロセスにおいて重要な役割を果たす。こうした非膜性構造体には、多数のタンパク質が局在しているが、構造体の形成に必須のものはそのうちの一握りであることがこれまでの研究から明らかになっている。しかし、こうした非膜性構造体形成の核となり、性質や機能を規定する細胞内相分離を理解する上で要となるタンパク質の全体像は明らかになっていない。そこで、本研究では、独自に確立した人工非膜性構造体実験系を用いて、非膜性構造体の形成を先導するタンパク質を大規模に探索する。さらに、同定したタンパク質の構造体誘導メカニズムを明らかにする。こうした解析から、細胞内相分離誘導というタンパク質の機能側面についてそのルールを系統的に明らかにする。こうした目的のため、本年度は、~500種類のMCP融合タンパク質を用いたスクリーニングを実施し、構造体誘導体の核となるタンパク質のリストを得ることができた。こうして得られたタンパク質について、特徴によって分類を行った。さらに、同定したタンパク質について、数百種類に及ぶ変異体を作成し、どういったドメインがこうした活性を担うのかをそのメカニズムを解析するための準備を進めた。さらに、100種類以上のタンパク質を追加し、ライブラリーを拡張した。また、多数の疾患関連変異についてもこの実験系を用いて解析を行った。その結果、多くの構造体形成に影響を与える変異を同定することができた。その中には、これまで相分離と関連が知られていない疾患変異も含まれており、新たな病態メカニズムの理解につながる知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は、予定通り、人工非膜性構造体実験系とMCPライブラリーを用いたスクリーニングを実施し、多数の構造体形成のきっかけとなるタンパク質を同定することに成功した。さらに、同定したタンパク質の特徴についても解析し、変異体の作成も完了した。さらに、ライブラリーの拡張も進め、600種類に及ぶタンパク質とMCPタンパク質を融合したタンパク質を発現させるライブラリーへと拡張することができた。また、多数の疾患関連変異について、この実験系を用いて解析を行い、多くの構造体形成に影響を与える変異を同定できた。その中には、これまで相分離と関連が知られていない疾患変異も含まれており、新たな病態メカニズムの理解につながる知見を得ることができたことなどから、上記のように判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、昨年度構築したライブラリーを用いて、大規模スクリーニングを実施する。再現性などを確認し、構造体の構築の核となるタンパク質を同定する。こうしたタンパク質が細胞内の相分離においてどういう役割を持つかについても解析を進める。さらに、変異体を用いた解析についても実施し、どういうタンパク質のドメインが構造体誘導において重要な役割を持つかを明らかにする。また、疾患関連変異についてもさらに解析を進める。その中でも代表的なものについてはそのメカニズムにまで踏み込んだ解析も進める。
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