研究領域 | DNAの物性から理解するゲノムモダリティ |
研究課題/領域番号 |
23H04298
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横田 宏 京都大学, 人間・環境学研究科, 特定研究員 (10846356)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 染色体凝縮 / クロマチン / 粗視化分子動力学シミュレーション / 緩和モード / Rouse mode / twist / writhe |
研究開始時の研究の概要 |
染色体は、細胞分裂時に、DNAとヒストン (タンパク質)とで構成された高分子 (クロマチン)が連続したループを作ることで棒状に凝縮したものである。クロマチンやDNAのようにねじれた高分子のループ形成のダイナミクスにおいては、様々な時空間スケールにおける運動が現れ、スケール毎に異なるループ構造が生成されうることが期待される。 本研究では、緩和モードを用いて、力学モデルにおけるモデル高分子の運動を各時空間スケールに分解し、どのスケールでの運動モードが染色体内のループ構造形成を支配するのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度は、“ねじれ”の自由度のダイナミクスの特徴的な時間を調べるために、はしご型の曲げ弾性とtwist弾性を含むモデル高分子を構築し、そのRouse modeを調べた。ここで、“ねじれ”は鎖の中心軸まわりのねじれであるtwistと鎖の中心軸自体のねじれであるwritheとで構成される。 はしご型の高分子は、曲げ弾性を持つバネ-ビーズモデル高分子をはしご型にバネでつなぐことで、構築した。このときのエネルギーはセグメント間のバネのエネルギーと曲げ弾性由来のエネルギーとはしご型につないだバネのエネルギーとで構成される。ここで、曲げ弾性エネルギーは、曲率の二乗に比例する。我々は、セグメントインデックスに共役なFourier spaceにおいて、Langevin方程式を解くことで、波数毎の緩和時間を導いた。 その結果、曲げと伸張が導くモードの緩和時間は、低波数領域において、波数の2乗で減衰し、高波数領域において波数の4乗で減衰する結果を得た。一方で、twistの自由度が導くモードの緩和時間は、低波数領域において、波数依存性を示さず一定値となった。また、高波数領域における緩和時間は、波数の4乗で減衰する結果を得た。これらの高波数、低波数の境目は高分子の持続長に依存する。 さらに、低波数領域においては、曲げと伸張が導くモードの緩和時間がtwistのモードの緩和時間より長いことが示された一方で、高波数領域ではこれらは同じ値を示すことも明らかとなった。 DNA全体のwrithe構造が緩和する際には、鎖全体の曲げの緩和が現れることが期待される。これは、Rouse modeの考え方で言うと、低波数領域のダイナミクスであることを意味する。従って、本年度の結果は、鎖全体のwrithe構造の緩和において、twistはすぐに緩和し、曲げや伸張の緩和のダイナミクスが支配的であることを示す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的であるTwistとwritheが導く緩和時間を解析的に導くことができており、数値的解析を行う上でのreferenceが得られているため、おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
本年度では、理想的で線形モデルを用いて、解析的にtwist, writheが導くモードの緩和時間を得ることができたため、今後はより現実に近い非線形なモデル高分子に対する緩和モードを導くため、数値的に緩和モード解析を行う。 それにより、twist-bendのカップリングがどのようにダイナミクスに影響を及ぼすかを明らかにする。
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