研究領域 | 素材によって変わる、『体』の建築工法 |
研究課題/領域番号 |
23H04323
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
中邨 智之 関西医科大学, 医学部, 教授 (20362527)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
2024年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 細胞外マトリックス / 弾性線維 / 膠原線維 |
研究開始時の研究の概要 |
脊椎動物の主要な細胞外マトリックス(ECM)である膠原線維や弾性線維は、それぞれ材料となるコラーゲン分子やエラスチン分子を①正しく並べて ②架橋する、という工程を経て作られる。我々はFibulin-4,5, LTBP-2,4といった分泌タンパク質が弾性線維を組み立てるのに必須のツール分子であることを見いだしてきた。本研究では、ノックダウンライブラリースクリーニングにより新たなツール分子およびその上流分子を同定することで、さまざまな力学的特性を持つ組織がどのようにしてECMの作り分けをしているのか、その分子機構の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
脊椎動物の主要な細胞外マトリックス(ECM)である膠原線維や弾性線維は、それぞれ材料となるコラーゲン分子やエラスチン分子を①正しく並べて ②架橋する、という工程を経て作られる。コラーゲン分子を並べるのに特別なツールが必要かどうかは知られていないが、エラスチン分子を正しく並べるためにFibulin-5とLTBP-4という分泌タンパク質が必須の役割を持つことを我々は明らかにしてきた。またコラーゲン分子どうし、エラスチン分子どうしを架橋するのはいずれもリシルオキシダーゼ(LOX)という酵素であるが、我々はLOXの活性化にFibulin-4という分泌タンパク質が必須であることを最近見出した。すなわち、ECMを組み立てるにはこれらの分泌タンパク質のような専用のツール群(Tools for ECM Organization: TECMOと仮称する)が必要である。本研究では、ノックダウンライブラリースクリーニングにより新たなTECMO分子およびその上流分子を同定することで、さまざまな力学的特性を持つ組織がどのようにしてECMの作り分けをしているのか、その分子機構の解明を目指す。 96ウェルプレートでのECMの形成条件を検討した結果、弾性線維と膠原線維の形成条件が異なっていたため、まず弾性線維形成についてスクリーニングを行うこととした。これまでに1万遺伝子強の遺伝子"Druggable Genome"に対するsiRNAライブラリー(遺伝子あたり3種類のsiRNA)とヒト皮膚線維芽細胞を用いて弾性線維形成に影響する遺伝子候補を100以上同定した。特にノックダウンすると弾性線維形成が増強する遺伝子は興味深く、また形成される弾性線維の形態も様々であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
96ウェルプレートでのECMの形成条件を検討した結果、弾性線維と膠原線維の形成条件が異なっていたため、まず弾性線維形成についてスクリーニングを行うこととした。これまでに1万遺伝子強の遺伝子"Druggable Genome"に対するsiRNAライブラリー(遺伝子あたり3種類のsiRNA)とヒト皮膚線維芽細胞を用いて弾性線維形成に影響する遺伝子候補を100以上同定した。特にノックダウンすると弾性線維形成が増強する遺伝子は興味深く、また形成される弾性線維の形態も様々であった。
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今後の研究の推進方策 |
siRNAによる遺伝子ノックダウン実験ではオフターゲット効果は避けられない。 (1)複数のsiRNAにより同様の効果を認める遺伝子を選ぶ、(2)レンチウイルスによるcDNAの過剰発現を行ったときに遺伝子ノックダウンの効果がキャンセルされるかどうかを検証する(レスキュー実験)、などの方法によりより確からしい候補遺伝子を絞り込む。また候補分子に対する阻害薬や遮断薬が入手可能な場合はその効果を確認する。In vitroでの効果が間違いないことが確認できた候補遺伝子についてはノックアウトマウスあるいは過剰発現マウスを作製し、生体内における弾性線維の形成を調べる。
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