研究領域 | 実世界の奥深い質感情報の分析と生成 |
研究課題/領域番号 |
23H04343
|
研究種目 |
学術変革領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
渡辺 哲陽 金沢大学, フロンティア工学系, 教授 (80363125)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
|
キーワード | 肌質感 / 内受容感覚 / 着衣着脱 / 剛性可変 / 摩擦可変 |
研究開始時の研究の概要 |
人が衣服などに触れたときに感じる感覚を肌質感と呼ぶ.内受容感覚とは身体内部状態に対する感覚である.興奮時に心拍数の上昇を感じる感覚やお腹が痛いという感覚が内受容感覚である.内受容感覚の乱れの大小により肌質感がどう変わるのかを調べることで内受容感覚が肌質感に与える影響の解明に挑む.この結果に基づき,内受容感覚に応じて自在に肌質感を操作する手法の開発に挑む.これにより「人は違えど肌質感は同じ」という深奥質感認識を得ようとする試みを行う.内受容感覚という観点から深奥肌質感の本質的理解とその操作方法に迫る.
|
研究実績の概要 |
人が衣服などに触れたときに感じる感覚を肌質感と呼ぶ.内受容感覚とは身体内部状態に対する感覚である.興奮時に心拍数の上昇を感じる感覚やお腹が痛いという感覚が内受容感覚である.内受容感覚の乱れの大小により肌質感がどう変わるのかを調べることで内受容感覚が肌質感に与える影響の解明に挑む.この結果に基づき,内受容感覚に応じて自在に肌質感を操作する手法の開発に挑む.これにより「人は違えど肌質感は同じ」という深奥質感認識を得ようとする試みを行う.内受容感覚という観点から深奥肌質感の本質的理解とその操作方法に迫る. 初年度は,肌質感を変えるための剛性と摩擦を変化させることができる衣服を開発し,剛性と摩擦を変化させることで,肌質感がどのように変わるのかを調査した.袖部,特に袖の長手方向と袖山部分に注目し,袖の長手方向と袖山部分の剛性を高め,その形状を維持できるような衣服を構築した.衣服に搭載することを考え,空気を注入しない場合は薄い状態を保つ扁平チューブを活用した.扁平チューブは空気を入れると断面方向に膨らみ,長手方向の剛性が高まる.この変化は袖の長手方向の剛性向上に適しているものの,袖山のような曲線状に剛性を高めることはできない.そこで,扁平チューブに切り込みを入れ,かつ扁平チューブを構成するシートの厚さを上面と下面で変えることで,空気を入れるだけで曲げが生じるようなアクチュエータを開発した.以上の剛性可変アクチュエータに追加して,肌と衣服との間に空気を流すアクチュエータを搭載することで,もともと剛性が低く,摩擦が高い衣服を剛性が高く摩擦が低い状態へと変化させることができるシステムを開発した.開発した衣服は特に着衣着脱に効果的であり,被験者による実験によりその有効性が示された.同時にストレスに応じて着衣感覚が変わることも予備実験により確認した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標の一つである,「肌質感」を変えることができるアクチュエータを搭載した衣服を開発できたこと,また,被験者の生理状態(内受容感覚の状態)に応じて肌質感が変わることが分かったため.このため,肌質感を生理状態(内受容感覚の状態)に応じて変えることができる見通しが立っている.一方で,被験者による評価が遅れており,この点は改善が必要である.
|
今後の研究の推進方策 |
被験者を増やして,ストレスや内受容感覚の乱れの大小により肌質感がどう変わるのかを調べることで内受容感覚が肌質感に与える影響をより詳細に調査する.この結果に基づき,内受容感覚に応じて自在に肌質感を操作する手法の開発に挑む.これにより「人は違えど肌質感は同じ」という深奥質感認識を得ようとする試みを行う. 【課題1:内受容感覚が肌質感に与える影響の解明】前年度では,内受容感覚が肌質感に与える影響について調査したものの,個人差が大きく,また,ストレスの種類に応じて異なる反応が得られた.ストレスを与えずとも初めから内受容感覚が乱れている被験者も散見された.このことから,ストレスにこだわらず,内受容感覚が乱れた被験者と内受容感覚の乱れていない被験者を比較することで,内受容感覚が肌質感に与える影響をより深く追求する. 【課題2:内受容感覚に基づく肌質感操作】課題1での調査結果をもとに,内受容感覚に応じて自在に肌質感を操作する手法の開発を試みる.
|