研究領域 | 分子サイバネティクス ー化学の力によるミニマル人工脳の構築 |
研究課題/領域番号 |
23H04421
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
安原 主馬 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (90545716)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | ナノポア / ペプチドミメティクス / 人工細胞 / リポソーム / 両親媒性高分子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、脂質膜中にナノメートルサイズの細孔(ポア)を自発形成する人工分子を開発し、膜透過を利用した人工細胞間の情報伝達システムを構築することを目的とする。細胞や小器官においては、膜中に組み込まれたポアやチャネルが、生化学反応や情報伝達に不可欠な分子輸送を担っている。ここでは、天然の抗菌性ペプチドの構造をヒントに、合成ポリマーを骨格としたナノポア形成分子をデザインし、膜透過を自在に制御できる方法論を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究は、脂質膜中にナノメートルサイズの細孔(ポア)を自発形成する人工分子を開発し、膜透過を利用した人工細胞間の情報伝達システムを構築することを目的としている。細胞や小器官においては、膜中に組み込まれたポアやチャネルが、生化学反応や情報伝達に不可欠な分子輸送を担っている。ここでは、天然の抗菌性ペプチドの構造をヒントに、合成ポリマーを骨格としたナノポア形成分子をデザインし、膜透過を自在に制御できる方法論を確立する。 脂質膜中にナノポアを自発形成するポリマーを設計し、それを活用した人工細胞間の情報伝達システムを段階的に構築するために、本年度は(1)ナノポア形成ポリマーの精密合成および(2)ポリマーが形成するナノポアの評価を実施した。 (1)に関しては、脂質二分子膜と結合することで、ナノポア構造を自発形成する両親媒性ポリマーを種々合成した。具体的には、ポリメタクリレート誘導体を基本骨格とし、種々の親水性および疎水性側鎖を導入したポリマーをラジカル重合によって得た。また、多くの異なる側鎖を有するポリマーによって構成される分子ライブラリを網羅的に合成できる手法の開発にも着手した。(2)に関しては、蛍光色素封入リポソームを用いた内包分子の漏れ出し評価ならびに、細胞サイズのジャイアントベシクルを顕微鏡観察することで膜破壊・漏出挙動の可視化を行った。これらの検討結果から、脂質膜中にナノポアを自発形成するポリマーの設計指針を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた検討項目を概ね完了することができ、ナノポアを形成する分子の設計指針を明らかにすることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
脂質膜中にナノポアを自発形成するポリマーを設計し、それを活用した人工細胞間の情報伝達システムを段階的に構築するために、次年度は、(1)ナノポアを組み込んだリポソームに対する反応系の導入および(2)リポソーム集積化による人工多細胞システムの構築を重点的に実施するとともに、本年度実施項目であるナノポア形成ポリマーの精密合成およびポリマーが形成するナノポアの評価についても必要に応じて実施する。
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