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細菌べん毛多型変換・集合化制御によるリポソーム変形

公募研究

研究領域分子サイバネティクス ー化学の力によるミニマル人工脳の構築
研究課題/領域番号 23H04429
研究種目

学術変革領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 学術変革領域研究区分(Ⅳ)
研究機関法政大学

研究代表者

曽和 義幸  法政大学, 生命科学部, 教授 (10519440)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
キーワードべん毛 / リポソーム
研究開始時の研究の概要

ミニマル人工脳のための分子アクチュエーションシステムを構築する条件として,リポソーム変形の人為的な誘導,繰り返し変形可能な可逆的制御,センサ・プロセッサから受け取った信号を素早く変形へと伝達する応答性が求められる.本研究では,周囲の環境変化にともなって瞬時にマイクロスケールの可逆的な形態変化を可能にする多型変換能をもつ細菌べん毛繊維をアクチュエータとして提案する.べん毛繊維の多型変換または集合状態の制御によって,リポソームの形態・動態を変化させることを目指す.

研究実績の概要

ミニマル人工脳のためのリポソームの人為的変形に必要になる分子アクチュエーションシステムとして細菌べん毛繊維を用いることを目指す.べん毛繊維は,1種類のフラジェリンが筒状の超分子複合体を形成するシンプルな系である.わずかに構造の異なる分子を集合させて形態の大きく異なる複数の超らせん構造をとることができ,マイクロスケールの可逆的な形態変化,および情報の分岐を構造として表現できることが特徴である.
2023年度は,べん毛再構成・蛍光標識およびリポソーム内でのべん毛多型変換を目指した.これまで,べん毛繊維は菌体から精製した標本,すなわち10マイクロメートル程度を中心とした長さ分布をもつべん毛繊維を用いてきた.より大きなリポソームの変形を誘導するため,菌体から精製したものよりも長い繊維を用いる必要があった.そこで,べん毛の精製・再構成をおこなうことで平均的に長いべん毛繊維を得た.得られた標本についてpHを変化させて多型変換を誘導することを試みたが,1本の繊維内で複数の形状が混在することがまれに観察されたため,より安定に多型変換を引き起こす純度の高い再構成べん毛を得る条件の検討を進めている.また,リポソーム内に封入したべん毛繊維をpH変化によって多型変換を引き起こすためリポソーム外液のpHを変化させた結果,内液へとプロトンが拡散してべん毛の多型変換は誘導できた.一方,リポソームの膜の張力が高い条件で実験をおこなっていたため,べん毛変形によるリポソーム形状の変形までには至っておらず,膜の浸透圧を調整する条件検討を進めている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の目的であるリポソームの変形を誘導するためには条件検討が必要であるのだが,外部からの刺激によってリポソーム内でのべん毛多型変換の誘導に成功したため,おおむね順調に進展していると判断した.

今後の研究の推進方策

2023年度の方針を引き続き推進し,リポソームに内包したべん毛多型変換の条件検討をおこなう.これと並行して,べん毛の集合によるリポソーム変形の方針も進めることで,本研究課題の目標であるリポソームの人為的変形を目指す.

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Flagellar polymorphism-dependent bacterial swimming motility in a structured environment2023

    • 著者名/発表者名
      Yoshiaki Kinosita, Yoshiyuki Sowa
    • 雑誌名

      Biophysics and Physicobiology

      巻: 20 号: 2 ページ: n/a

    • DOI

      10.2142/biophysico.bppb-v20.0024

    • ISSN
      2189-4779
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Stator dynamics of chimeric Na+-driven E. coli flagellar motor observed with fluorescent microscopy2023

    • 著者名/発表者名
      Tomoya Shoji, Naoki Hidaka, Yong-Suk Che, Yoshiyuki Sowa
    • 学会等名
      第61回日本生物物理学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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