研究領域 | 分子サイバネティクス ー化学の力によるミニマル人工脳の構築 |
研究課題/領域番号 |
23H04430
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
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研究機関 | 東京大学 (2024) 法政大学 (2023) |
研究代表者 |
林 真人 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (40356259)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 相分離配向 / 細胞骨格線維 / リポソーム / 人工細胞 / ソフトマター |
研究開始時の研究の概要 |
生物の細胞は、多種類の生体分子からなる複雑なシステムで、多様な生命機能を実現している。しかし簡単な入出力応答であれば、シンプルな分子システムで実現できるはずである。『分子サイバネティクス』では、細長い突起を伸ばして他の細胞と連結することで情報をやりとりする人工神経細胞の実現を目指している。本研究では、生きた細胞の構造を支えるアクチン線維とゲノムサイズの長鎖DNAを封入した人工膜小胞をもちいて、数10マイクロメートルの膜突起を任意のタイミングで伸長短縮できるシンプルな分子システムの開発に挑戦する。さらに外部からの短いDNAの入力信号を増幅して短時間で変形する分子ロボットの実現を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は『分子サイバネティクス』で実現を目指すミニマル脳の構成要素のひとつであるアクチュエータ・リポソームに、外部からの制御DNA分子に応答してDNAの等温増幅を起動する仕組みと、アクチン線維の束化により膜突起を素早く伸長する仕組みを実現することである。アクチュエータ・リポソームは、前段のプロセッサ・リポソームから伝達される制御DNA分子に応答して数10マイクロメートルの膜突起を伸長する必要がある。本年度はRolling Circle Amplification (RCA)法によるDNAの等温増幅を高感度化・高速化するための鋳型DNAの設計と反応条件の最適化を行った。その結果100 pMのプライマーDNAの添加により60分以内に飽和濃度のDNAが合成される方法を確立できた。本法はプライマーDNAを加えない場合の非特異的増幅が少なくDNA配列の設計自由度も高いので、短時間で高感度なDNAやRNAの検出技術として応用可能であると考えている。次にDNAの添加によりアクチン線維が相分離配向を生じる条件の詳細な検討を行った。その結果ある種の高分子を共存させることで、より低濃度のDNAでもアクチン線維を相分離配向できることを見出し、リポソームから100マイクロメートル以上の膜突起を伸長させられることを確認できた。この方法を上記の高感度化・高速化したRCA反応系と組み合わせれば、外部からの制御DNA分子に応答して素早く膜突起を伸長するアクチュエータ・リポソームを実現できると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
RCA反応系の高感度化・高速化は実現できたが、リポソーム内部でアクチン線維の相分離配向が高感度化・高速化できる条件の検討に時間がかかり進捗が遅れている。またリポソーム外部からの制御DNAの入力技術との組み合わせが未着手であり、現在共同研究先と準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
現在準備中のリポソーム外部からの制御DNAの入力により内部のRCA反応系を起動するための共同研究を重点的に進める。また高分子を添加した際のRCA反応条件を最適化し、短時間でアクチン線維の相分離配向が生じる条件を探索する。これらの技術を組み合わせて外部からの制御DNA分子に応答して素早く膜突起を伸長するアクチュエータ・リポソームを実現する。
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