研究領域 | 貧困学の確立:分断を超えて |
研究課題/領域番号 |
23H04440
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
丸山 里美 京都大学, 文学研究科, 准教授 (20584098)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 貧困 / 世帯内資源配分 / ファイナンシャル・ダイアリー / 家計 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、貧困と子どものアウトカムを結ぶ媒介メカニズムの一つとして、世帯のなか での資源の配分に焦点をあてる。それによって、従来の貧困研究では十分に把握されていない世帯内での資源配分の不平等が、子どもの貧困にどのような影響を与えているのかを明らかにする。そのために、ファイナンシャル・ダイアリーの手法を用いて、資源配分の様子やその意味、長期間にわたる家計の変化を実証的に明らかにし、貧困削減のための政策提言につなげる。
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研究実績の概要 |
本研究では、低所得者に一定期間家計簿をつけてもらい、定期的にインタビューを繰り返すファイナンシャル・ダイアリーの手法を用いて、貧困と子どものアウトカムを結ぶ媒介メカニズムの一つである世帯のなかでの資源の配分をとらえ、従来の貧困研究では十分に把握されていない世帯内の資源配分の不平等が、子どもの貧困にどのような影響を与えているのかを明らかにすることを目的としていた。同時に本研究は、ファイナンシャル・ダイアリーという、まだ日本では実績の少ない調査手法を確立させることも目的の一つとしていた。 本年度は、①子どもがいる低所得世帯の専業主婦、②障害のある子どもを育てる母親、③在日外国人の各1名、④収入は年金のみの高齢者2名、計5名を対象に、3~6ヶ月のファイナンシャル・ダイアリー調査を実施した。ただし、調査協力者の獲得の困難から、子どものいる世帯については2名しか対象にできず、また1名は調査を途中で断念することになった。 調査からわかったこととして、下記のようなものがある。①やりくりのためのジャグリング戦略、②お金を誰のものと認識しているかが使途に影響を与えていること、③社会保障給付のまとめ支給の影響、④借金の性質が家計に与える影響、⑤高齢者の消費水準の低さ、⑥家計管理者の性別が家計に与える影響、⑦世帯内の資源配分の不平等の実態。 以上から、当初目的にしていた、世帯内資源配分の不平等が子どもの貧困に与える影響については、明らかにできたとまではいえない。しかしファイナンシャル・ダイアリー調査を実施する際の具体的手続きについては、ノウハウを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ファイナンシャル・ダイアリー調査は、さまざまな目的に利用できる調査手法だが、実施が容易とはいえず、また日本ではほとんど前例がないため、計画通りにいかない可能性も考えられた。しかし本年度は、5名の調査協力者を得ることができ、うち子育て世帯といえるのは2名のみだったものの、4名は計画通りに調査を完了することができた。ここから、ファイナンシャル・ダイアリー調査の困難な点やノウハウを獲得することができ、今後の実施に向けて経験を蓄積することができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、本年度と同様の手法で、対象者を変えて、ふたたびファイナンシャル・ダイアリー調査を実施する。ただし本年度の調査協力者のうち、1名については、より長期の記録を取るために、次年度改めて調査対象とする。 次年度は、本年度の経験をふまえて、よりターゲットをしぼった調査協力者が得られるよう、アクセスの方法を工夫し、またインタビュー調査の項目を、英語圏の世帯内資源配分研究の知見を検討することで、より洗練させる。
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