研究領域 | データ記述科学の創出と諸分野への横断的展開 |
研究課題/領域番号 |
23H04486
|
研究種目 |
学術変革領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
熊谷 雄太郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (00528408)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
|
キーワード | 免疫システム / 確率モデリング |
研究開始時の研究の概要 |
我々は生物の動的現象を数理的に記述する際に伴う困難を解決するため、確率的描像に基づいた新規のモデル化手法を開発した。本研究ではこの理論を応用し、生物学において産生される各種オミクス・ビッグデータを統合し、細胞分化・応答過程のモデリングを可能にする。また、理論に細胞間の相互作用を取り入れることにより、細胞間相互作用を含むシグナル伝達ネットワークを分岐現象として解釈し、当該現象の細胞内-細胞間の階層を統合した説明・モデルを与える。
|
研究実績の概要 |
本年度は、SBMによってパラメータ、ネットワークが再現可能かどうかを確かめた。統計的にノード数を決定した後、行列積分解を用いて観測行列と内部状態を推定する方法を実装した。また、与えられたノード数からあり得るネットワークとそれに対応する確率遷移行列を列挙する手法を実装した。推定された内部状態から確率遷移行列を深層展開を用いて推定する方法を用い、最後に確率遷移行列から上記の列挙されたネットワーク構造を、sparse推定する方法を実装した。樹状細胞のLPS刺激に対する自然免疫応答をRNA-seqで網羅的に観測したデータに適用し、4ノードのネットワークが得られた。当該ネットワークは既存のシグナル伝達経路と類似の構造を持つことが示唆され、本手法の有効性が示された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実データへの手法の適用し手法の有効性を示唆するデータを得た。
|
今後の研究の推進方策 |
ネットワーク推定において有効性が示唆された一方、いくつかのステップは計算が未だに不安定であり、より大きいネットワークを持つと推定されるデータに適用するために改良する必要があると思われる。既存の計算パッケージなどに適宜置き換えて計算の安定化を図る。また、scRNA-seqデータを用いることで少なくとも1つの計算ステップは大幅に簡単になるため、scRNA-seq, RNA-seqの統合解析と細胞内分子間ネットワークの同定を可能にする計算法を確立する。
|