研究領域 | 「学習物理学」の創成-機械学習と物理学の融合新領域による基礎物理学の変革 |
研究課題/領域番号 |
23H04504
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木河 達也 京都大学, 理学研究科, 助教 (60823408)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ニュートリノ検出器 / 機械学習 / アンフォールディング / ニュートリノ反応 / ニュートリノ振動 / ニュートリノ |
研究開始時の研究の概要 |
ニュートリノにおけるCP対称性の破れは宇宙から反物質が消え去った謎を解く鍵となり得る。ニュートリノ振動の測定により、このCP対称性の破れを発見するためにニュートリノ-原子核反応模型の不定性に起因する系統誤差が最大の要因となっている。ニュートリノ反応測定の解析において検出器の効果を考慮するために用いられる従来のアンフォールディング法では多粒子の運動学的情報を扱いきれず、ニュートリノ反応についての十分な理解が得られない。本研究では機械学習を用いた新しいアンフォールディング法を開発し、それをニュートリノ反応測定のデータに適用することでニュートリノ反応模型を正確に理解し、CP対称性の破れの発見へ導く。
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研究実績の概要 |
本研究では機械学習を用いた新しいアンフォールディング法を開発し、それを新型ニュートリノ検出器のデータに適用することで多粒子事象を含めたニュートリノ反応の高度な解析を行う。それによりニュートリノ反応模型を正確に理解し、系統誤差を大幅に削減することで、ニュートリノにおけるCP対称性の破れの発見へ導く。 ここでいうアンフォールディングとは検出器の効果を考慮して、観測量から真の分布を逆問題解析により得ることであるが、機械学習を用いて重み付けをすることで観測量をビン化するなくアンフォールディングすることが可能になり、多次元の観測量への応用が容易になる。 当該年度においては機械学習を用いたアンフォールディングのフレームワークを開発し、T2K実験のシミュレーションデータに適用することで性能評価を行った。 その結果、従来の手法より高い性能でのアンフォールディングが可能であることを実証した。 さらに、系統誤差の実装方法についても開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画していた、機械学習を用いたアンフォールディングのフレームワークの開発やシミュレーションデータを用いた性能評価だけでなく、系統誤差の実装まで進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度の開発において機械学習を用いたアンフォールディング法をニュートリノ実験に応用するための準備が整った。 2024年度にはアルゴリズムの最適化を行ったうえで、この手法をT2K実験の前置検出器のデータに適用し、多重微分断面積を測定し、それによりT2K実験の系統誤差を抑制する。
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