研究領域 | 「学習物理学」の創成-機械学習と物理学の融合新領域による基礎物理学の変革 |
研究課題/領域番号 |
23H04520
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
高橋 弘毅 東京都市大学, デザイン・データ科学部, 教授 (40419693)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 人工知能 / 適用型時間-周波数解析 / 突発性雑音 / 重力波 |
研究開始時の研究の概要 |
人工知能(AI)を用いた超新星爆発などから放射される“バースト的”重力波を探査する手法の開発を行う.その実現には,重力波を探査する際にしばしば問題になる突発性雑音を分類・除去する手法の開発がカギとなり,この手法もAIと新たな時間-周波数解析を用いて開発する.これらを組み合わせバースト的重力波の探査の実現を目指す.これまでに観測された重力波はすべて,ブラックホールや中性子星からなるコンパクト連星の合体の際に放射されたものであるが,超新星爆発からのバースト的重力波を捉えることは,超新星爆発のメカニズム解明につながるなどの点で非常に重要である.
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研究実績の概要 |
(1) AIと適用型時間-周波数解析を用いた突発性雑音分類手法の開発:教師なし学習を用いた突発性雑音分類については,畳み込み深層ニューラルネットワークを用いた手法の評価を進めた. この手法では,大きく2つのプロセス(特徴量学習と分類・除去)から構成する.特徴量学習のプロセスでは,変分オートエンコーダを用いて ,適用型時間-周波数解析を用いた突発性雑音のT-Fマップから,その特徴量を抽出する. 分類・除去のプロセスでは,特徴量学習のプロセスで学習した変分オートエンコーダのエンコーダと新たにスペクトラルクラスタリングを利用して, 突発性雑音を分類・除去をする,実際に今までの観測データ(突発性雑音データ)を用いて手法の信頼性の評価を進めた.また,AIが突発性雑音のどこに注目して分類をしているかの可視化手法の検討も進めた. (2) AIと適用型時間-周波数解析を用いた重力波探査手法の開発:AIを用いた探査プログラムの開発を進めた.深層学習(1次元畳み込みニューラルネットワークや2次元畳み 込みニューラルネットワーク)を用いた手法に,それぞれ適用型時間-周波数解析結果の瞬時振幅や瞬時周波数,T-F マップを入力として導入を進め評価を進めた.また,重力波探査の際に,AIがどこを見て重力波信号と判断しているかの可視化手法に関しての研究も進め,第三次国際共同観測の際のノイズデータと超新星爆発のシミュレーション波形を用いた評価を行い,その有効性の評価も行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定通り大幅な遅れもなく,各種手法の提案や実装・評価を行うことができている.また,研究目的に必要な要素技術はそろいつつある.
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今後の研究の推進方策 |
AI+適用型時間-周波数解析を用いた探査については,まず,2023年度でそろいつつある(1)-(2)の要素技術の連携・統合を進めていく.簡単なモデル波形や数値シミュレーション波形を実際の観測装置のノイズに注入することで,プログラムや解析手法の有効性を確認していく.また,プログラム群のライブラリー化については,2024年後半頃,LVK の IGWN ソフトウェア開発チームの協力の下で,IGWN Conda Distribution に含まれるソフトウェアとすることを目指す. さらに,2024年後半頃には、研究成果をまとめていく.
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