研究領域 | 生体反応の集積・予知・創出を基盤としたシステム生物合成科学 |
研究課題/領域番号 |
23H04542
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
藤城 貴史 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20740450)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 生合成 / アミノ酸 / 触媒 / 酵素 / X線結晶構造解析 / クリック反応 / 三重結合 / PLP / ATP-grasp protein / クリックケミストリー / ペプチド |
研究開始時の研究の概要 |
クリックケミストリーとは、生細胞内のような多種多様な成分が共存する環境においても、特定の異なる2つの官能基のペアを利用して、2つ以上の分子を選択的に連結させる画期的な手法である(2022年にはノーベル化学賞)。炭素-炭素3重結合を持つアルキンは、生物はほとんど持たないためクリックケミストリーでよく用いられるが、ごく最近、ある種の生物がアルキンを自ら生合成できることが見出された。本研究では、この珍しい生合成系を改変し、天然にはない新たなアルキンを持つアミノ酸やペプチドを細胞内で合成する系を構築し、"その場(in situ)"特定細胞組織の蛍光イメージングの実現可能性を検証する。
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研究実績の概要 |
当該年度では、三重結合を持つジペプチド類の生合成酵素群Besマシナリーの5種の鍵酵素BesA、BesB、BesC、BesD、BesEの大腸菌組換え酵素発現系の構築を行った。BesC、BesDは既報通りの条件で、His-tagにより高純度に精製可能であることを確認した。また、BesA、BesEについても、それぞれHis-tagによる大量生産と活性の確認に成功した。一方で、BesBについては、発現を確認したものの、他の酵素に比べ量が少なく、さらなる発現、精製条件の改良が必要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
5種全ての酵素で発現を確認しており、これらを全て1つのプラスミド上にオペロンの形で連結して大腸菌に生合成系を再構築することが可能な状態である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、BesABCDEをオペロンの形で連結して大腸菌に生合成系を再構築し、大腸菌細胞内で3重結合を持つジペプチドが合成されるかどうかを、細胞膜透過性のクマリンやBodipy誘導体型の蛍光剤を用いたin vivoクリック反応を用いて確認する。また、Bes酵素群の活性部位への変異導入による基質特異性の改変を行い、天然の3重結合を持つジペプチド以外にも、様々な人工型の3重結合を持つジペプチドが合成できるか挑戦する。
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