研究領域 | 生体反応の集積・予知・創出を基盤としたシステム生物合成科学 |
研究課題/領域番号 |
23H04548
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
尾仲 宏康 学習院大学, 理学部, 教授 (80315829)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 放線菌 / RiPPs / 生合成 / 中分子創薬 / 天然物創薬 / ペプチド / ラクタゾール |
研究開始時の研究の概要 |
創薬における構造プラットフォームとして非常に有望な中分子天然物であるリボソーム翻訳後修飾ペプチド(RiPPs)は、アミノ酸配列の組み合わせとアミノ酸側鎖の翻訳後修飾により、極めて多様な構造バリエーションを取ることが可能である。RiPPs骨格を用いた中分子創薬のためには、様々な化学構造のRiPPsを自由自在に創製できる技術が必要である。本研究では、ラクタゾールの in vitro再構成生合成系を用いて、既存の天然物の構造多様性を凌駕する人工非天然型RiPPsライブラリーを創製し、創薬ターゲット分子と特異的に結合するRiPPsアナログをスクリーニングし、医薬品リード化合物へとつなげる。
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研究実績の概要 |
創薬における構造プラットフォーム として非常に有望な中分子天然物で あるリボソーム翻訳後修飾ペプチド (RiPPs)は、アミノ酸配列の組み合わせとアミノ酸側鎖の翻訳後修飾により、極めて多様な構造バリエーションを取ることが可能である。RiPPs骨格を用いた中分子創薬のためには、様々な化学構造の RiPPsを自由自在に創製できる技術 が必要であり、申請者らは既にラクタゾール(LZ)、ゴードスポリン(GS) を母核として、世界初の遺伝子情報からの完全なin vitro再構成生合成系を確立している。本研究では、既存の天然物の構造多様性を凌駕する人工非天然型RiPPsライブラリーを創製し、 創薬ターゲット分子と特異的に結合するRiPPsアナログをスクリーニングし、医薬品リード化合物へとつなげることを目的とする。その際、創薬ターゲット分子に特異的に結合する RiPPsアナログのスクリーニング法が肝となるが、本計画ではドッキングシミュレーション や機械学習を用いて、より特異性の高いアナログの創出を目指す。本計画は以下の3つからなり、概ね順調に進んでいる。(Ⅰ)10億通りを越えるLZアナログライブラリーの構築(Ⅱ)指向性進化法を取り入れた有用LZアナログの選抜方法の確立(Ⅲ)LZアナログを生産する放線菌を宿主とした発酵プロセスの構築
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画は以下の3つからなり、それぞれについて以下のように順調に推移している。 (Ⅰ)10億通りを越えるLZアナログライブラリーの構築については、ライブラリー作製に成功した。 (Ⅱ)指向性進化法を取り入れた有用LZアナログの選抜方法の確立については、 mRNA displayを行い、候補となる環状ペプチドの取得に成功した。 (Ⅲ)LZアナログを大量生産する放線菌を宿主とした発酵プロセスの構築については、異種発現系を放線菌で構築し、LZアナログの発酵生産に成功している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は(I)は目標を達成したために、特に研究計画の(II), (III)について、重点的に進める予定である。 (Ⅱ)指向性進化法を取り入れた有用LZアナログの選抜方法の確立については、 mRNA display法に翻訳後修飾反応を組み合わせた系を新たに構築し、薬剤候補となるLZアナログの取得を目指す。 (Ⅲ)LZアナログを大量生産する放線菌を宿主とした発酵プロセスの構築については、異種発現系を放線菌で構築しLZアナログの発酵生産に成功したが、更なる収量増のための育種を検討する。
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