研究領域 | 生体反応の集積・予知・創出を基盤としたシステム生物合成科学 |
研究課題/領域番号 |
23H04560
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
品田 哲郎 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (30271513)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | テルペノイド / 生合成 / ハイブリッド合成 / テルペン環化酵素 / 非天然型基質 / ドッキング計算 / 酵素 / 人工基質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ジテルペン合成酵素を用いた人工テルペン類の創製の可能性を探る。ドッキングシミュレーション(予測)・酵素反応(実証)・生成物解析(検証)・集積と改善の循環に加え、A01, A02班との連携を果たすことにより、人工テルペン類を予知生合成するための基盤を構築する。
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研究実績の概要 |
ジテルペン環化酵素と非天然型基質の組み合わせ(ハイブリッド合成)による人工ジテルペン類の合成を試みた。計算科学を用いて、テルペン環化酵素(CotB2およびDtcyc)の触媒サイトに受容され、かつ、環化が進行しうると予想される非天然型基質、数種を絞り込んだ。入手容易なゲラニオールを出発原料とし、設計基質をそれぞれ合成した。CotB2およびDtcycの遺伝子を組み込んだプラスミドを用い、大腸菌を宿主として各酵素を発現・精製した。小スケールで酵素反応を検討し、ガスクロマトグラフィー質量分析装置を用いて、生成物の有無を調査したところ、カルボニル基を含む基質が大環状化合物に変換されることが示唆された。反応効率は基質の構造と用いる酵素の種類によって異なった。収率が比較的高い環化体について、スケールを上げて反応を行い、単離・精製した。次いで、NMR・X-線結晶構造解析を行い、それらの相対立体化学を明らかにした。これにより、非天然型基質からカルボニル基を有する大環状人工テルペン類が合成できることを初めて明らかにするとともに、ハイブリッド合成により複雑分子を容易に構築する新手法が開拓できた。あわせて、領域内共同研究として、(1)トリテルペン合成酵素、BmeTCを用いた環状セスキテルペン類の合成、(2)トリテルペン、アンブレインのビタミンD受容体リガンド機能の解析、(3)アントリマイシンの生合成機構の解明を実施し、研究成果を論文・学会にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に沿って成果が得られている。領域内外での共同研究も進行しており、領域の活性化にも貢献できた。研究はおおむね順調に進んでいるものと評価した。
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今後の研究の推進方策 |
2024度は次の研究課題に取り組む。(1)非天然型基質のバリエーションを拡大し、ジテルペン合成酵素によってどのような化合物が得られるのかについて明らかにする。予想と異なる環化生成物を与えたものについて、計算科学を用いてその理由を検証する。これよりテルペン類の予知生合成のための基礎データを蓄積する。(2)酵素反応により収率良く得られるカルボニル基含有テルペンアナログを数百ミリグラム合成する。次いで化学変換を行ことで、人工テルペン類の構造多様性を拡大する。(3)得られたアナログ類の生物活性を調べる。(4)共同研究において用いる基質の合成を行う。
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