研究領域 | 生体反応の集積・予知・創出を基盤としたシステム生物合成科学 |
研究課題/領域番号 |
23H04565
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
野田 修平 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 特命准教授 (30710131)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | S-アデノシルメチオニン転移酵素 / C1増炭反応 / メタノール / 酸化還元酵素 / 3-ヒドロキシキヌレニンC-メチル転移酵素 / フェニルプロパノイド |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、メタノールを炭素供与基として、S-アデノシルメチオニン転移酵素(SAMT)の特異性及び活性を自由自在に制御することにより、既存の天然有機化合物に新たな炭素結合を導入し、極性官能基であるカルボキシル基を導入可能な酵素群の開発を行う。メタノールを用いたSAM再生系とSAMTを融合し、環境調和型のクリーンは炭素結合形成反応の開発を行う。最終的に、天然有機化合物の任意の芳香環に炭素結合を形成し、極性官能基修飾可能なSAMT及び追随する酸化還元酵素群の学術基盤を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究では、メタノールを炭素供与基として、S-アデノシルメチオニン転移酵素(SAMT)の特異性及び活性を自由自在に制御することにより、既存の天然有機化合物に新たな炭素結合を導入し、極性官能基であるカルボキシル基を導入可能な酵素群の開発を行う。メタノールを用いたSAM再生系とSAMTを融合し、環境調和型のクリーンは炭素結合形成反応の開発を行う。最終的に、天然有機化合物の任意の芳香環に炭素結合を形成し、極性官能基修飾可能なSAMT及び追随する酸化還元酵素群の学術基盤を確立する。 本研究では、天然有機化合物の任意の位置にC1炭素結合を導入可能なSAMTとして、3-ヒドロキシキヌレニンC-メチル転移酵素に注目した。また、3-ヒドロキシ安息香酸のテレフタル酸への変換を例に取り、芳香環にカルボン酸を導入可能な酵素群を開発する。最終的に、C1メタノールを炭素供与基として、「フェニルプロパノイド・ポリケタイドなどの天然有機化合物の任意の位置に炭素結合を形成・官能基の導入を可能にするSAMTの学術的理解と自由自在な制御」を目指す。 本年度は、実際に3-ヒドロキシキヌレニンC-メチル転移酵素のクローニングおよび、活性の評価、ホモロジーモデルの作成による変異導入点の抽出、変異体作成などを行った。3-ヒドロキシキヌレニンC-メチル転移酵素の3-ヒドロキシ安息香酸への活性の確認を行い、その活性を確認した。更に、変異体を作成することにより、3-ヒドロキシ安息香酸を3-ヒドロキシ4-メチル安息香酸へと変換する活性の向上に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究において、実際に3-ヒドロキシキヌレニンC-メチル転移酵素のクローニングおよび、活性の評価、ホモロジーモデルの作成による変異導入点の抽出、変異体作成などを行った。3-ヒドロキシキヌレニンC-メチル転移酵素の3-ヒドロキシ安息香酸への活性の確認を行い、その活性を確認した。更に、変異体を作成することにより、3-ヒドロキシ安息香酸を3-ヒドロキシ4-メチル安息香酸へと変換する活性の向上に成功した。3-ヒドロキシキヌレニンC-メチル転移酵素の3-ヒドロキシ安息香酸への基質特異性向上は本研究を最も重要な研究開発項目の一つであり、高活性な変異体を取得できたため、研究は概ね順調に進展していると判断するに至った。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究において、3-ヒドロキシキヌレニンC-メチル転移酵素の変異体を作成することにより、3-ヒドロキシ安息香酸を3-ヒドロキシ4-メチル安息香酸へと変換する活性の向上に成功した。今後は今年度取得した変異体以上に高活性な変異体を開発すること、メチル化以後の酸化還元酵素の評価に加え、S-アデノシルメチオニンの再生系の適用によるメチル化活性の向上を重点的に検討する。高活性な変異体開発のためには、多重変異酵素の開発や一変異体の数を更に拡張させるといった複数のアプローチを行う。最終的に、フェニルプロパノイド化合物のオイゲノール(Eugenol)や、ポリケタイド化合物のエンドクロシン(Endocrocin)中の芳香環へのメチル基導入を可能とする技術の開発を目指す。
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