公募研究
学術変革領域研究(A)
本研究では、無機結晶の格子内にリン分子 P2 を含む化合物に着目し、P2 分子の共有結合を切断したときに生じる結晶の巨大な伸びを利用した「化学」アクチュエータを創製する。ThCr2Si2 型構造を持つ遷移金属ニクタイドは P2 分子の化学結合の切断・形成を伴う構造相転移を示す。この転移に伴い結合軸方向の c 軸長が約10%伸縮する。この巨大伸縮(変位)を利用したアクチュエータを創製する。この方法は、伸縮が0.01%以下である従来の圧電(ピエゾ)効果を利用したアクチュエータとは異なり、無機結晶(セラミックス)中の分子性ユニットの化学結合の変化を直接利用した化学的手法である。