研究領域 | 超セラミックス:分子が拓く無機材料のフロンティア |
研究課題/領域番号 |
23H04637
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
田中 大輔 関西学院大学, 理学部, 教授 (60589399)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 配位高分子 / カーボンニュートラル / 光触媒 / 半導体 / 二酸化炭素還元 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、半導体配位高分子を用いた、希少金属フリーの革新的CO2還元触媒を新たに合成・開発する。提案者がこれまでに開発してきた50種類以上の半導体配位高分子のCO2還元触媒特性をスクリーニング評価してデータベースを作成し、機械学習により触媒特性の支配因子を抽出する。それにより得られた情報に基づき、新規配位高分子触媒の合成戦略を確立し、革新的なCO2還元触媒の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、半導体配位高分子を用いた、希少金属フリーの革新的CO2還元触媒を新たに合成・開発することを目的に研究を行った。特に、(1)新規半導体配位高分子のハイスループット合成、(2)開発した配位高分子のCO2還元触媒能の評価、(3)計算科学的手法による二酸化炭素還元触媒機構の解明と触媒合成の指針確立を実施した。 (1)新規半導体配位高分子のハイスループット合成:研究代表者が確立したデータ駆動型ハイスループット合成システムを活用し、効率的に条件探索空間内の実験を行い、新規半導体配位高分子を30種類合成することに成功した。特に、これまでは鉛やカドミウムなどの毒性の高い金属を含む配位高分子の合成に多く成功していた、より毒性の低い代替金属であるスズを用いた配位高分子の合成に複数成功した。 (2)開発した配位高分子のCO2還元触媒能の評価:領域内の共同研究により触媒特性の精密な評価を行った。我々が開発した物質のCO2還元光触媒特性をC02班の前田グループにて評価し、優れた選択性を持つ半導体触媒を発見した。また、研究代表者のグループで光触媒特性をスクリーニング評価する環境を整えた。 (3)計算科学的手法による二酸化炭素還元触媒機構の解明と触媒合成の指針確立:領域内の共同研究により計算科学的手法による触媒反応機構の評価を行った。我々が開発した物質のCO2還元光触媒機構の評価をB02班の辻准教授らと評価した。生成物の選択性には、配位高分子結晶表面への吸着構造が重要な役割を果たすことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
領域内の共同研究を通して、研究代表者が開発した複数の新規半導体配位高分子が優れたCO2還元光触媒として機能することを見出した。さらに、計算科学的な手法でその反応機構の解明にも成功しており、当初予定より順調に研究は進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度同様に新規半導体配位高分子の開発と触媒特性評価を進めるとともに、反応機構のさらなる解明を目指す。さらに、これまでに構築したデータベースを用いて機械学習による解析を行い、CO2還元触媒の設計指針を確立していく。
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