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COデヒドロゲナーゼ(CODH)の祖先型酵素HCPがCO代謝活性を得る分子進化の変異の再現

公募研究

研究領域CO環境の生命惑星化学
研究課題/領域番号 23H04648
研究種目

学術変革領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 学術変革領域研究区分(Ⅱ)
研究機関埼玉大学

研究代表者

藤城 貴史  埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20740450)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
キーワードCOデヒドロゲナーゼ / Hybrid cluster protein / 金属酵素 / X線結晶構造解析 / 人工酵素 / CO dehydrogenase / Ni / 分子進化 / 還元 / 変異 / 一酸化炭素デヒドロゲナーゼ / CODH / HCP
研究開始時の研究の概要

太古の嫌気的な地球環境で生まれた初期生物は、生命維持に必要なエネルギーや炭素源の獲得に、一酸化炭素(CO)に依存した代謝系、および、その代謝系に特有のNi含有CO代謝酵素「COデヒドロゲナーゼ(CODH)」を有する。これまでにCODHの触媒機構や、その酵素ファミリーの多様な分子種は解明が進んでいるが、CODHの起源については未だ定かではない。本研究ではCODHの祖先型酵素として最も可能性の高いとされる酵素hybrid cluster protein (HCP)を用いて、変異導入実験によるHCPのCODHへの分子進化過程を再現し、生物界におけるCODHの発生起源を分子レベルで理解することを目指す。

研究実績の概要

当該年度では、CODHの祖先型であるHCPの3つのclassのうち、最も研究が進んでいるclass IのHCPへの変異導入によるCODH活性を持つHCP変異型作成を試みた。まずCODHとclass I HCP活性部位の金属クラスター周辺構造の比較の結果、CO/CO2を結合するのに重要となるNiイオンを活性部位に取り込むと予想されるチャネルがHCPにも存在することを確認した。
HCPの、推定Ni取り込み可能なチャネル周辺のアミノ酸残基のいくつかをCODH型アミノ酸に置換し、大腸菌組換え型酵素として発現、精製したところ、どの変異型も安定に大量精製することに成功した。EPR測定により、これらHCP変異型の活性部位の性状解析を行った結果、野生型HCPとは少し異なるシグナルを示したため、これらが野生型酵素とは異なる活性部位クラスター環境を持つことが示唆された。また、CODHに最も構造上近いと予想されたclass III HCPの構造解析にも成功し、その全体構造が二量体であること、クラスターの配置がCODHと相同であることを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

CODHと同じ二量体型のHCPであるclass III HCPの構造解析に世界で初めて成功し論文として報告できた。よって、今後は単量体型HCPとして知られるclass I、class IIだけでなく、二量体型のclass III HCPも用いて、構造に基づくHCPからのCODHへの分子進化の再現実験が可能となった。

今後の研究の推進方策

今後は精製できたclass I HCP変異型をNi共存下、COまたはCO2雰囲気下でのCODH型の酵素反応を実施し、活性評価を行う。また、class IIやclass III HCPでも、同様に変異導入を行い、CODH活性を評価する。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Class III hybrid cluster protein homodimeric architecture shows evolutionary relationship with Ni, Fe-carbon monoxide dehydrogenases2023

    • 著者名/発表者名
      Fujishiro Takashi、Takaoka Kyosei
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 14 号: 1 ページ: 5609-5609

    • DOI

      10.1038/s41467-023-41289-4

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Insights into structural evolution of Ni,Fe-CO dehydrogenases and hybrid cluster proteins2024

    • 著者名/発表者名
      Takashi Fujishiro
    • 学会等名
      Joint CO world & 12th ELSI Symposium “EMERGENCE AND DETECTION OF LIFE
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 大腸菌組換え金属タンパク質の研究と人工合成遺伝子の活用2024

    • 著者名/発表者名
      藤城貴史
    • 学会等名
      日本農芸化学会2024年度大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [備考] 嫌気的生命を支える金属クラスター利用型酵素群の進化的起源に迫る!

    • URL

      https://www.saitama-u.ac.jp/topics_archives/2023/2023-0908-1521-9.html

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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