研究領域 | 行動変容を創発する脳ダイナミクスの解読と操作が拓く多元生物学 |
研究課題/領域番号 |
23H04668
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
林 悠 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40525812)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 睡眠 / マウス |
研究開始時の研究の概要 |
長期的なストレスは脳や全身に作用し、多元的な行動変容を惹起するが、その表れ方は個体ごとに多様である。本研究ではストレスがもたらす行動変容の内、休息および社会性に関連した行動に注目し、睡眠を制御する神経回路が惹起する脳の広域の脳動態が、社会性行動を制御する神経回路の局所動態に作用することで、社会性に関連する行動変容に影響を与えた可能性を検証するとともに、そのメカニズムを追求する。
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研究実績の概要 |
本研究では、睡眠中に固有な広域の脳の神経・血流動態が、どのような社会性行動に関わる脳部位にどう作用し、ストレス抵抗性への影響もたらすかの解明を目指す。オスのマウスは、初めて出会う他個体に対して、物理的アプローチを繰り返す。一方、10日間に及ぶ社会的敗北ストレスを受けたオスのマウスは、通常の(ナイーブな)マウスと同様に初めて出会う他個体にアプローチする「ストレス抵抗性群」と、初めて出会う他個体との接触を避けるようになった「ストレス感受性群」とに分かれる。この行動変容の二極化は、その後数週間に亘って持続する。我々が同定した睡眠制御ニューロンの活動に介入することで、この二極化のバランスに影響が生じる。その仕組みの解明へ向けて、睡眠を構成する各睡眠ステージの合計時間や、睡眠中に固有な脳活動のうち、どのパラメータがストレス抵抗性と相関するかを検討した。その結果、特定の睡眠ステージの合計時間や、その時に強まる脳活動がストレス抵抗性の深く関わる可能性が浮上した。さらに、このステージに選択的な活動様式を示すニューロン等の関与を、Cre-loxPシステムを活用した遺伝学的手法で検証した。その中から、関与する可能性が浮上したニューロン群や脳部位について、そのニューロン群や脳部位に睡眠ステージ特異的に活動に介入するための光遺伝学的手法の開発に取り組んだ。一部のニューロン群については、睡眠中の介入が社会性行動に与える影響を明らかにすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね研究計画通りに進んでいるため、このように判断した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、当初の研究計画に則り進める。
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