研究領域 | 行動変容を創発する脳ダイナミクスの解読と操作が拓く多元生物学 |
研究課題/領域番号 |
23H04672
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
三國 貴康 新潟大学, 脳研究所, 教授 (90786477)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 低侵襲イメージング / ライブイメージング / イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
脳の広域-局所の光学的イメージングは広域脳動態と局所脳動態の相互作用を理解する上で非常に有用であるが、広域観察のために頭蓋骨の大半を切除する従来の方法では動物への侵襲が大きすぎる問題がある。そこで本研究では、頭蓋骨を除去することなく低侵襲に脳内を観察するための頭蓋骨透明化技術を開発し、さらに、高感度にシナプス活動や分子動態を観察するためのプローブ群を開発する。これらを組み合わせることで、生体脳内の広域-局所脳動態を低侵襲かつ高解像度に観察するための汎用的な技術基盤を提供でき、様々な行動変容に伴う広域脳動態と局所脳動態の相互作用を迅速、簡便かつ高精度に理解できるようになる。
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研究実績の概要 |
マウスなどの動物において、脳の広域-局所の光学的イメージングは広域脳動態と局所脳動態の相互作用を理解する上で非常に有用であるが、広域観察のために頭蓋骨の大半を切除する従来の方法では動物への侵襲が大きすぎる問題がある。そこで本研究では、頭蓋骨を除去することなく低侵襲に脳内をイメージングするための技術を開発し、さらに、高感度にシナプス活動や分子動態をイメージングするためのプローブ群を開発することを目的とする。2023年度はまず、低侵襲で生体脳内の高精度イメージングを行うための対物レンズ下包埋試薬の開発を行った。網羅的なケミカルプロファイリング・スクリーニングによりリストアップした「タンパク質に対して水和活性の高い低毒性化合物」と「イメージングに有利な有機溶剤」を融合することで、低侵襲のイメージング試薬を開発した。開発したイメージング試薬を用いて、マウス脳内の2光子ライブイメージングを行い、イメージングのクオリティーの評価を行った。その結果、イメージングのクオリティーは今後の実用に向けて有望であった。また、これまでに申請者が開発した生体脳内ゲノム編集・分子標識技術SLENDRおよびvSLENDR (Mikuni et al., Cell 2016; Nishiyama*, Mikuni* et al., Neuron 2017)を駆使して、樹状突起スパインでの神経活動を高感度かつ高S/N比でイメージングするためのスパインカルシウムセンサーや、高感度分子プローブの開発を行い、こちらも有望な結果が出てきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
低侵襲イメージングのための技術開発が、予定よりも順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、昨年度に引き続き、低侵襲に脳内をイメージングするための技術を開発し、さらに、高感度にシナプス活動や分子動態をイメージングするためのプローブ群を開発することをさらに進める。マウスの脳内の低侵襲イメージング技術の完成度を上げ、開発したプローブ群と組み合わせることで、生体脳内の広域-局所脳動態を低侵襲かつ高解像度に観察するための汎用的な技術基盤の確立を目指す。
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