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血行力学作用による心管腔組織形成の制御

公募研究

研究領域力が制御する生体秩序の創発
研究課題/領域番号 23H04726
研究種目

学術変革領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 学術変革領域研究区分(Ⅲ)
研究機関徳島大学

研究代表者

福井 一  徳島大学, 先端酵素学研究所, 准教授 (80551506)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
キーワード力学応答 / 血流 / ゼブラフィッシュ / 心臓管腔形成 / 力操作 / 心臓管腔 / メカノトランスダクション / 心臓発生
研究開始時の研究の概要

本申請は心臓形成期における「血流から生じる力」と「生体シグナル」に着目し、『秩序立った血液循環のために働く心臓弁(房室弁)が、血流に由来する力によってどのように形成されるのか』把握することを目指す。心臓管腔を構成する心内膜内皮では血流方向の違いを認識する力学応答が存在することを見出しているが、その作用機構は捉えられていない。本研究の遂行から、力が制御する生体秩序の原理に迫る。

研究実績の概要

令和5年7月より徳島大学先端酵素学研究所へ異動し、セットアップ後に研究を再開した。研究計画①では、双方向血流から生じる力作用を人為的に模倣して個体心臓へ入力し、心内膜内皮に与える力学的データと生体シグナルデータを共に定量計測することを目指している。当初の予定通り力操作する実験系:磁気ピンセットを新たな研究室へ実装した。また共同研究先と磁性流体を用いた検討を継続して行ってきた中で、力の方向性(垂直応力と接線応力)の違いを区別した生体応答シグナル(Ca2+流入)を認めた。これは力の特性を区別して認識する機構解明の糸口となる知見であると考えている。次年度、力の本質理解に向けて導かれた仮説(接線応力により生じる摩擦抵抗を介した熱変換を認識した生体機構)を新たに検討する。
研究計画②:双方向血流を感知して細胞内の力学応答機構を誘導する「因子」を同定するため、当初の予定通りスクリーニング系を樹立してきた。特にカベオラ近傍が生体力学応答の場として機能することが示唆される知見を得ていることから、近位依存性ビオチン標識法を活用するための系統樹立を進めてきた。まず心内膜内皮細胞のカベオラをGFP蛍光標識する系統と、GFP結合タンパク質が繋がれたAPEX2を発現する系統の樹立が完了した。さらに、APEX2と比較して細胞毒性が低く、且つ、分子量が小さいことでより近接したものが特異的に標識可能とされるTurboIDとUltraIDを発現する系統を樹立できた。複数の実験条件を検証できる系の準備が整ったため、次年度は、樹立した系統の交配からプロテオミクス解析を行い、カベオラ近傍に局在する力学応答因子のスクリーニングを完了する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和5年7月より徳島大学先端酵素学研究所で独立した研究室運営を開始したため、セットアップに時間を要して当初の研究計画よりやや遅れていると評価した。ただし、使用する動物モデルである小型魚類の飼育設備に向けた研究室改装が完了し、2024年2月に稼働開始した。想定していた実験計画について、大幅な変更はなく予定通り進行している。

今後の研究の推進方策

目標の1つである力操作する実験系の確立について、磁性流体を用いた検討を継続して行ってきた中で、これまで観察してきた力の方向性(垂直応力と接線応力)の違いを区別した生体応答シグナル(Ca2+流入)を認めることに成功した。今後は本実験系の確立を目指すと共に、心臓管腔内で作用する力の特性を模倣できるような新たな力操作系の開発も行う。また、力の方向性の違いがなぜ生体シグナルを調節できるのか、実験結果を基にすることで新たな仮説を立てた。本仮説では、双方向のせん断応力から生じる摩擦抵抗を介した熱変換がシグナル応答要因となることを考えており、検証に向けて熱応答性チャネルタンパク質の関与、熱変化定量方法の開発、熱操作法の開発を行う。そして本研究を推進することで、力を介した新たな生体応答メカニズムを提唱することができると考えている。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 5件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Monash University(オーストラリア)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [国際共同研究] Imperial College London(英国)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] Calcium signal analysis in the zebrafish heart via phase matching of the cardiac cycle2024

    • 著者名/発表者名
      Zhang RJ, Vermot J, Gherardi R, Fukui H, Chow RW
    • 雑誌名

      bio-protocol

      巻: -

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 外力に応答する化学的シグナル可視化から観る心臓管腔形成機構2024

    • 著者名/発表者名
      福井 一
    • 学会等名
      徳島大学 医光融合研究シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 心臓管腔形成を制御する血流の力学特性を認識した力学応答機構2024

    • 著者名/発表者名
      福井 一
    • 学会等名
      第129回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 血流が規定する心臓管腔形成機構2023

    • 著者名/発表者名
      福井 一
    • 学会等名
      第8回血管生物若手研究会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Bidirectional flow forces instruct endocardial cell identity for the cardiac lumen morphogenesis2023

    • 著者名/発表者名
      Hajime Fukui, Naoki Mochizuki
    • 学会等名
      第75回日本細胞生物学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 組織形成の理解に向けた力の操作と力学生体シグナル研究2023

    • 著者名/発表者名
      福井 一
    • 学会等名
      先端酵素学研究所シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 心臓弁形成を制御する「血流ベクトル」を認識した力学応答原理の解明2023

    • 著者名/発表者名
      福井 一
    • 学会等名
      山内進循環器病研究助成 第4回研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 心臓形成の理解にむけた生体力学シグナル研究2023

    • 著者名/発表者名
      福井 一
    • 学会等名
      第22回日本心臓血管発生研究会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [備考] 研究室(生体力学シグナル分野)紹介ページ

    • URL

      https://www.iams.tokushima-u.ac.jp/lab/fukui/

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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