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植物初期進化過程におけるDNAメチル化及びトランスポゾン制御機構

公募研究

研究領域植物の挑戦的な繁殖適応戦略を駆動する両性花とその可塑性を支えるゲノム動態
研究課題/領域番号 23H04747
研究種目

学術変革領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 学術変革領域研究区分(Ⅲ)
研究機関岡山大学

研究代表者

池田 陽子  岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (80467688)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
キーワードトランスポゾン / DNAメチル化 / エピゲノム / 植物 / エピジェネティクス
研究開始時の研究の概要

植物の性決定機構の変化を介した繁殖戦略の構築メカニズムや、雌雄のゲノムの制御には、エピゲノム制御が重要な役割を果たしていることが知られている。中でも、DNAメチル化によって制御されるトランスポゾンの転移は、遺伝子発現に大きなインパクトを与える。本研究では植物初期進化過程に着目し、ゼニゴケにおけるDNAメチル化機構及びトランスポゾンの転移能について解析を行い、両性花を基軸とした植物の繁殖戦略と植物の進化について考察する。

研究実績の概要

植物の性決定機構の変化を介した繁殖戦略の構築メカニズムや、雌雄のゲノムの制御には、エピゲノム制御が重要な役割を果たしていることが知られている。エピゲノム修飾の中でも、シトシンのメチル化は遺伝子やトランスポゾンの発現に影響を与える。性決定関連因子やインプリント遺伝子なども、トランスポゾンの挿入がトリガーとなって構築されたと考えられており、繁殖戦略の進化と、エピゲノム制御及びトランスポゾン転移は密接な関係がある。
申請者らは、DNAメチル化などの植物のエピゲノム制御機構がどのように進化してきたかを明らかにするため、進化上、陸上植物の基部に位置するゼニゴケを用い解析を進めた。これまでに、ゼニゴケは被子植物で明らかになったDNAメチル化の制御機構との共通点だけでなく、動物と似たDNAメチル化制御システムの特徴を複数有することが明らかになってきた。また、最近の報告から、ゼニゴケでは、これまで被子植物で知られている報告とは異なり、DNAメチル化だけでなく、ヒストンH3K27me3の修飾がトランスポゾン領域に局在しており、発現の抑制に関わることが示唆されている。これらを踏まえ、ゼニゴケにおけるDNAメチル化とH3K27me3などのヒストンによるトランスポゾン制御の多層的な制御の全体像を明らかにすることを目的として、DNAメチル化に関与する変異体を用いてDNAメチル化とトランズポゾンの制御について解析するとともに、DNAメチル化とヒストン修飾の相互作用についても解析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ゼニゴケは、進化上、陸上植物の基部に位置するとされており、維管束や気孔を持たないなど、原始的な植物の特徴が多く残っている。また、生活環の殆どが半数体であり、雌雄異株である。栽培方法や、形質転換やゲノム編集技術も整備されており、形質転換体や変異体を効率よく得ることができる。これらの特徴を利用して、ゼニゴケを用いることで植物の進化過程でエピゲノム制御がどのように変化してきたかを考察することができる。我々は、ゲノム編集を利用することにより、DNAメチル化に関わる変異体を効率的に得ることができた。これらを用いて表現型の解析を進めた。
最近の報告から、ゼニゴケでは、DNAメチル化だけでなく、ヒストンH3K27me3トランスポゾン領域に局在しており、発現抑制に関わることが示唆されている。これは維管束植物とは異なる特徴である。ゼニゴケトランスポゾンの制御におけるDNAメチル化とヒストンH3K27me3との関係を明らかにするため、ゼニゴケを用いたクロマチン免疫沈降法についていくつかの条件を行い、系を立ち上げることができた。この方法により、ゼニゴケメチル化関連変異体におけるヒストン修飾のゲノムワイド解析を行っている。

今後の研究の推進方策

ゼニゴケを用いたクロマチンIP解析の系を立ち上げることができた。今後は、他のヒストン修飾抗体を用い、H3K27me3以外の修飾についても解析を進めるとともに、得られたChIP-seqデータの解析を進め、DNAメチル化や遺伝子発現データと照らし合わせ、ゼニゴケDNAメチル化とヒストン修飾を介したトランスポゾン制御について明らかにする、

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)

  • [雑誌論文] The sixth Japanese meeting on biological function and evolution through interactions between hosts and transposable elements2023

    • 著者名/発表者名
      Ichiyanagi Kenji、Ikeda Yoko、Saito Kuniaki
    • 雑誌名

      Mobile DNA

      巻: 14 号: 1 ページ: 22-22

    • DOI

      10.1186/s13100-023-00310-9

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Ectopic expression of HvMADS58, an ortholog of AGAMOUS, caused homeotic transformations of floral organs in Barley.2023

    • 著者名/発表者名
      Nakamura, K., Hisano, H., Ikeda Y.
    • 学会等名
      The 3rd Barley Mutant Conference
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Regulation of DNA demethylation in Marchantia polymorpha.2023

    • 著者名/発表者名
      Ikeda, Y.
    • 学会等名
      Taiwan-Japan Plant Biology 2023
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] DNA de-methylation control in Marchantia polymorpha.2023

    • 著者名/発表者名
      Ikeda,
    • 学会等名
      International Research Network France-Japan Frontiers in Plant Biology Symposium
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] ゼニゴケのDNAメチル化とトランスポゾン.2023

    • 著者名/発表者名
      池田陽子
    • 学会等名
      転移因子と宿主の相互作用による生命機能と進化(第6回転移因子研究会)
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] エピゲノム制御を介したオオムギの芒形成機構の解析.2023

    • 著者名/発表者名
      中村光希・菊池優一・白神美瑞穂・小竹敬久・武田真・池田陽子
    • 学会等名
      日本育種学会第144回講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] ゼニゴケにおける生殖を介したDNAメチル化の伝達機構.2023

    • 著者名/発表者名
      池田陽子・中村光希・十川太輔・西浜竜一・山岡尚平・荒木崇・河内孝之・Mathieu Olivier・大和勝幸
    • 学会等名
      日本植物学会第87回大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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