• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

犯罪被害者の心の推論と支援的環境の構築

公募研究

研究領域法と人間科学
研究課題/領域番号 24101503
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

配分区分補助金
審査区分 人文・社会系
研究機関東京大学

研究代表者

唐沢 かおり  東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (50249348)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
研究課題ステータス 完了 (2013年度)
配分額 *注記
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2013年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2012年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワード心の推論 / 被害者支援 / ステレオタイプ / 裁判員裁判
研究概要

本研究は、1) 一般の人々を対象に、犯罪被害者(以下「遺族」とする)に対する心の推論の特性、および、心の推論が遺族への態度に及ぼす影響、さらに、遺族が法廷で表出する感情に対する、裁判員としての法的判断プロセスを明らかにすること、また2) 遺族自身を対象に、他者からの心の推論に関する推論(メタ推論)、および、メタ推論が対人態度に及ぼす影響を検証した。
遺族の心の推論については、調査 (N=100)研究の結果、「悲嘆」より「怒り」が多く推論されており、人々は「加害者に強い怒りを抱く」遺族像を保持していることが示された。また、シナリオ実験より(N=250)、「人間は他者の過ちに寛容であるべき」という規範的な信念の強い第三者は、このステレオタイプに合致する遺族に対し、少ない支援意図を示していた。同様のプロセスは、法廷で感情表出する遺族への認知でも確認され、第三者の規範的な信念が、(遺族の望む方向とは逆に) 軽い量刑判断をもたらすことが明らかになった (N=100)。
遺族を対象とした半構造化面接 (N=20) の逐語分析からは、遺族が実際、第三者による「賠償金に関する誤解」「受傷の過小評価」を体験しており、「社会には遺族への偏見がある」というメタ認知と対人不信、さらにはコミュニティ上の孤立や行動制限につながっていることが示唆された。また、遺族自身も第三者同様、遺族という社会的カテゴリーに対し、「怒ってばかり」という否定的なイメージを有していた。しかし、他の遺族によるこまやかで実際的な支援を受けることで、そのようなイメージが払しょくされていく様子もまた確認された。遺族は全般的に、被害経験を境目として対人関係の質的・量的な変化を実感していた。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2013 実績報告書
  • 2012 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2014 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 犯罪被害者の裁判関与が司法への信頼に与える効果:手続き的公正の観点から2014

    • 著者名/発表者名
      白岩祐子・唐沢かおり
    • 雑誌名

      心理学研究

      巻: 85

    • NAID

      130003395757

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 被害者参加人の発言および被害者参加制度への態度が量刑判断に与える影響2013

    • 著者名/発表者名
      白岩祐子・唐沢かおり
    • 雑誌名

      実験社会心理学研究

      巻: 53 ページ: 12-21

    • NAID

      130003365065

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 裁判シナリオにおける非対称な認知の検討:被害者参加制度への態度や量刑判断との関係から2012

    • 著者名/発表者名
      白岩祐子・荻原ゆかり・唐沢かおり
    • 雑誌名

      社会心理学研究

      巻: 28 ページ: 41-50

    • NAID

      110009496277

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 犯罪被害者に対するネガティブな帰属ラベルの検討:被害者は「責任」を付与されるのか2012

    • 著者名/発表者名
      白岩祐子・宮本聡介・唐沢かおり
    • 雑誌名

      社会心理学研究

      巻: 27 ページ: 109-117

    • NAID

      110009328072

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 共感しているのになぜ支援しないのか?:“加害者を赦さない遺族”に対する赦しの効用的価値観の効果2013

    • 著者名/発表者名
      白岩祐子・唐沢かおり
    • 学会等名
      日本グループ・ダイナミックス学会第60回大会
    • 発表場所
      北星学園大学
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] 刑事裁判への関与が犯罪被害者遺族の司法観に与える影響2012

    • 著者名/発表者名
      白岩祐子・小林麻衣子・唐沢かおり
    • 学会等名
      法と心理学会第13回大会
    • 発表場所
      武蔵野美術大学
    • 年月日
      2012-10-10
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] 犯罪被害者の発言による量刑判断上の被影響認知プロセス2012

    • 著者名/発表者名
      白岩祐子・谷辺哲史・唐沢かおり
    • 学会等名
      日本グループ・ダイナミックス学会第59回大会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2012-09-23
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] 犯罪被害者の発言による量刑判断への影響が否認される過程2012

    • 著者名/発表者名
      白岩祐子・唐沢かおり
    • 学会等名
      日本心理学会第76回大会
    • 発表場所
      専修大学
    • 年月日
      2012-09-12
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] 犯罪被害者遺族への支援と対人関係がその後の遺族の適応に与える影響

    • 著者名/発表者名
      小林麻衣子・白岩祐子・唐沢かおり
    • 学会等名
      日本トラウマティック・ストレス学会第13回大会
    • 発表場所
      帝京平成大学
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書

URL: 

公開日: 2013-05-15   更新日: 2019-07-29  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi