公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究は、国内で唯一の大型レーザーである激光XII号レーザーを用いて、巨大惑星内部の極限状態を実験室で直接再現し、その物理状態を解析することを目的としている。本研究では特に、天王星に代表される巨大氷惑星に着目する。太陽系外でも数多く発見されている巨大氷惑星の内部構造やダイナモ機構を、実験的に検証された状態方程式や電気伝導度を用いて正確に理解することで、太陽系内外の惑星誕生シナリオを統一的に解明していく。太陽系内および太陽系外に多数の存在が観測されている巨大な惑星群のうち、一定の割合を占める比較的高い平均密度の惑星は、H2O、CH4、NH3を主要な成分とする、いわゆる巨大氷惑星だと考えられている。これらの分子性の物質は、水素結合を始めとする分子間相互作用に強く依存した物性を示す。惑星内部の高い圧力によって分子間距離が短縮されると、この分子間相互作用の性質が大きく変化する。そこで本年度の実験では、太陽系内外の巨大で高密度な氷惑星の材料であるH2O-CH4-NH3混合液体に対して、衝撃圧縮下での状態方程式と反射率の同時計測を実施し、温度圧力条件と物性との関連を捉えることで、惑星内部の物質の状態を理解することを試みた。その結果、混合液体の反射率は水に比べて有意に大きくなっていることが分かった。これは、混合液体では電子の非局在化が容易になることを意味している。したがって、巨大氷惑星内部のダイナモ機構には、陽子だけでなく電子による電気伝導度の寄与も重要となることが示唆される。さらに、理論シミュレーションの面から、恒星や惑星内部の対流層における大局的な磁場構造の形成過程の模擬に成功した。今後は、太陽で見られるような周期的な磁場活動が、どのような物理で決定されているのかに迫っていきたい。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 2件)
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