公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究は、ハドロン励起状態(特にエキゾチックハドロン)の構造を、ハドロン動力学による記述とクォーク動力学による解釈とを相補的にとり、個々のハドロンにとってどのような自由度が本質的かを明らかにすることを目的とする。今年度の研究では、反K中間子と核子の準束縛状態と考えられるΛ(1405)共鳴状態の構造を中心課題に、生成反応の散乱断面積の計算やハドロン複合系の記述法やその判定法についての理論的考察を行った。1. Λ(1405)の生成反応計算。J-LabやSPring8におけるΛ(1405)光生成反応実験を考察するために、散乱断面積の理論計算を行った。Λ(1405)の光生成機構を有効ラグランジアンの方法でモデル化し、Λ(1405)のエネルギースペクトラムはカイラルユニタリー模型で得られた振幅を用いた。実験で得られているΛ(1405)のエネルギースペクトラムは、カイラルユニタリー模型で得られているもので矛盾なく説明することができ、光生成反応の主成分は、KbarNチャンネルから作られるΛ(1405)であることが分かった。ただ、生成機構は単純でなく、現象論的に接触相互作用を入れないと散乱断面積を再現することが出来なかった。このことより、Λ(1405)光生成機構に核子励起状態の効果などが重要な寄与を与えていると予想される。2.共鳴状態の理論的考察。共鳴状態の内部構造の変化をしらべるために、Neuman-Wigner の交差則を共鳴状態への拡張を行った。2準位模型を例にとり、複素エネルギーを持つ2準位からなる系について、性質の変化を制御するパラメータを導入し、性質の変化を追跡した。制御パラメータの複素平面上に存在する"exceptional point"が、構造を議論する上で重要な役割を演じ、共鳴状態の性質の変化が複素数の制御パラメータの幾何学的構造で議論が出来ることを示した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013 2012
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)
Progress of Theoretical and Experimental Physics
巻: 2014 号: 2 ページ: 23D01-0
10.1093/ptep/ptt121
Proceedings of Science
巻: Hadron 2013
International Journal of Modern Physics: Conference Series
巻: 26 ページ: 1460057-1460057
10.1142/s201019451460057x
European Physical Journal A
巻: 49 号: 8
10.1140/epja/i2013-13095-6
巻: 2013 号: 8
10.1093/ptep/ptt051
Nuclear Physics A
巻: 914 ページ: 377-386
10.1016/j.nuclphysa.2013.01.083
巻: 914 ページ: 280-288
10.1016/j.nuclphysa.2013.01.026
Few-Body Systems
巻: - 号: 7-10 ページ: 939-945
10.1007/s00601-013-0639-8
Progress of Theoretical and Experirmental Physics
巻: 2013 号: 4 ページ: 43D02-0
10.1093/ptep/ptt009
Physical Review C
巻: 86 号: 6
10.1103/physrevc.86.065205