配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2013年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2012年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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研究概要 |
昨年度、研究代表者らはヒトiPS細胞の肝細胞への分化誘導研究において、従来の「細胞の分化誘導」という開発概念から脱却し、異なった細胞系譜の時空間的な相互作用を活用した、「臓器の再構成に基づく分化誘導」を実現化した革新的な三次元培養技術を新たに開発した。(Nature,499 (7459), 481-484、PCT/JP2012/074840:組織及び臓器の作製方法)。 本年度においては、まず、研究代表者が世界で初めて確立したiPS細胞からヒト肝臓原基を試験管内で誘導するプロセスをin vitro からin vivoに至るまでライブ観察するための技術を最適化し、その詳細な手技を検討することにより最適な観察手法を確立した。本ライブ観察系を用いることで、血液の流入に要する時間、臓器特異性の高いヒト血管網の構築過程、蛍光iPS細胞の分化段階などを3次元的に解析することが可能となった。以上の結果は、Nature Protocols誌, Organogenesis誌に発表した。 さらに、本年度は積極的に領域内の共同研究を推進した。A02班の埼玉大学との共同研究を開始し、肝臓原基作製に必要となる三種の細胞を用いた自己組織化のメカニズム解析を行った。内容は、再生医療学会シンポジウムにて、口頭発表を行った。また同グループと研究を実施した、軟骨再生研究に関する成果は、Stem Cells誌に発表することが出来た。さらに、A03班東北大グループとは、酸素透過膜を用いた培養法に基づく高品質な肝臓原基作製方法を検討し、A02班横国大グループとは血管構造を空間的に配置した立体組織を構築するための技術検討を開始した。今後、共同研究を加速することによりヒトiPS細胞から高い治療効果を発揮可能なヒト肝臓の再生医療技術を確立することが期待される。
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