公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
ナノサイズの細孔を有する多孔質金属材料は、広い表面積と特異な物性を示すことから、様々な分野で注目されている。申請者は24年度の研究から、ナノ多孔質金材料がメタノールを用いたアミンの直接ホルミル化反応において、優れた触媒として機能することを見出した。これは、気相、液相、固相が関与した三相同一時空間反応集積化の例として注目される。そこで25年度は、本材料を用いた末端アルキンへのヒドロシリル化反応に注目し、本材料のナノスケールの細孔という特殊な空間が、反応に及ぼす影響について検討を行った。本反応は、α体、β-(E)体、β-(Z)体という3つの異性体の生成が可能であり、その制御が問題となる。そこで金‐アルミニウムから作成したナノ多孔質金材料を触媒として用いたところ、β-(E)体が高選択的に得られ、他の異性体はほとんど生成しなかった。本触媒はナノ構造を有しているにもかかわらず耐久性に優れ、繰り返し反応を行っても触媒活性や構造に変化は見られなかった。興味深いことに、本反応は金銀合金リボンから作成した多孔質金では触媒活性が大きく低下することが分かった。この両者の活性の違いは、残存するAlまたはAgの影響によると考えられる。そこで次に、三元系合金であるAu-Ag-Al合金リボンを作成し、詳細な検討を行ったところ、微量に存在する銀が反応を阻害していることを明らかにした。これは、昨年度のアミンの直接ホルミル化反応で得られた結果とは異なるものであり、これら金属間のシナジー効果は反応ごとに与える影響が大きく異なることを明らかにした。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (20件) (うち査読あり 19件) 学会発表 (35件) (うち招待講演 7件) 図書 (2件)
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