研究領域 | 反応集積化の合成化学 革新的手法の開拓と有機物質創成への展開 |
研究課題/領域番号 |
24106713
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
北村 雅人 名古屋大学, 創薬科学研究科, 教授 (50169885)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2013年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2012年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | ルテニウム / 不斉アリル化 / ヘテロ環 / 脱水反応 / 脱水型アリル化 / 不斉反応 / 遷移金属錯体触媒 |
研究概要 |
前年度までに開発したキラルなピコリン酸型配位子Cl-Naph-PyCOOH(6-(2-chloro- naphthalen-1-yl)-5-methylpyridine-2-carboxylic acid)のモノカチオン性CpRu(II)錯体は,w位に酸素や窒素求核原子を置換する様々なアリルアルコール類を定量的かつ高エナンチオ選択的に対応するaアルケニル環状化合物に変換することができる.この脱水型分子内不斉アリル化によって得られるヘテロ環状化合物はいずれも生理活性天然物合成におけるキラル鍵中間体として重要である.本年度は,本触媒反応の高活性と高エナンチオ選択性発現の機構の解明に照準を置いた. モデル系におけるRu(IV)πアリル錯体の単離・構造解析,NMR実験,重水素標識実験の結果をもとに本反応の触媒サイクルを推定した.[CpRu(II)(CH3CN)3]PF6 (I)と(R)-Cl-Naph-PyCOOHから生じる錯体Aにおいて、ソフトなRuとハードなプロトンがそれぞれアリルアルコール基質のオレフィン部とヒドロキシ酸素原子と相互作用して基質/触媒複合体Bへと移行する.ここでドナー・アクセプター二官能性触媒(DACat)機能が働いて,Ru側(インサイド)にH2Oを脱離して,πアリル錯体Cとなる.π-σ-π平衡下,立体反発のない最も安定なπアリル錯体C’へと異性化後,求核部がカルボキシラト酸素原子側からアリル炭素原子をインサイド攻撃して生成物/触媒複合体Dを与える.アリル化生成物を放出するとともにAが再生して触媒サイクルが完結する.サイクル上の活性種は多くの不活性種と平衡関係にあり,反応系は単純ではない.Cl-Naph-PyCOOH配位子の「Cl基」がCp水素原子と相互作用して,CpRu(II)の求核性を向上し,COOHがアリルアルコール基質の求電子性を向上する.極微量,系内に発生するこのDACat種Bが高性能発現の鍵を握っていると考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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